心眼の世界:

五十嵐 誠 作品集 

五十嵐 誠(著)

発売日:2015年12月2日

洋画家・五十嵐誠が今まで描いてきた作品を、五十嵐氏の母・静代さんの書作品とともに一冊の作品集として出版することになった。五十嵐氏が絵を描くようになったきっかけは、自身の青春時代真っ只中に母・静代さんが書家の西川寧氏に弟子入りしたことにある。西川氏はとりわけ厳しい先生として有名であり、多くの弟子が途中で逃げ出していく中で、静代さんは十年という長い年月を死に物狂いで勉強した。そんな母と西川氏に影響を受けた五十嵐氏は、大学受験もそっちのけで次第に書の世界から独自の絵画の世界へと没頭してゆく。長い年月が経ち、海外で数々の受賞を受け、国際的に活躍するようになった洋画家・五十嵐誠の待望の作品集。

 

 

カテゴリー:

アート

絵画



コメント: 2
  • #2

    チキチキバンバン (木曜日, 04 1月 2018 10:30)

    五十嵐氏の絵を見て、絵画を色面構成の二次元の美術として捉え、形は色を区切るフォルムと考えた近代絵画の巨匠マチスを連想するのは、私だけだろうか。それでいて五十嵐氏の作品には、日本画のような静かな暖かさも感じる。師やお母様、そして本人も嗜む書から来る印象だろうか。
     モチーフが、風景、人物、静物と違っても、なにかこちらに優しげに微笑みかけているようだ。簡単に「作者の内面…」なる言葉は使いたくない。このスタイルを築くまでには、幾多の試行錯誤があったに違いないからだ。         
     すべての作品を通じて、五十嵐色とでもいう黄みがかった明るいオレンジが、絵の何処かに使われている。私にはそれが、穏やかな陽光のように感じられる。

  • #1

    3代目ざるそば (土曜日, 30 12月 2017 13:58)

    心眼とは、光を探すことなのかもしれない。本作に収められているいくつかの写真では、光の表現がきわめて印象的に映った。それは希望を意味するような輝かしいものばかりではなく、消えゆく蝋燭の灯のような愁いを帯びたものも含めてだ。とりわけ光の存在感が強いのは、山吹色にキャンバスが染め上げられた「イチョウ並木」だろう。前景と後景が逆転したかのような眩い光は、夢と現実との境目すら塗り潰してしまった。