「タブーに挑戦」

 

 見えないものを見てみたい 

 

インタビュー :

森村 髙明 (写真家)

 

群馬県伊勢崎市が生んだ写真界の革命児と密かに話題沸騰中の森村 髙明。

彼の魅力は、タブーを恐れない奇抜なアイデアにある。

いつの時代もこういう強靭なハートの持ち主を求めているような気がしてならない。

 

写真なんてつまらない、写真なんてただの記録、なんて言う人も正直多いと思う。

写真をアートという見方ができない人こそ、ぜひ森村 高明の作品集を手にとって欲しい。

必ずや満足させてくれるだろう。まるであなたがはじめからアート写真が好きだったかのように…。

 

当然、世界的な評価も高い。代表作「ノアの方舟再びの」は、瞬く間に世界中へと広がった。

 

今回は、これまでほとんど語られることのなかったアート写真家としての活動、貫いてきた「アート写真」での真のリアリズムの追及への想いを語っていただきました。

 

 

Future Art Photo Of Japan / フューチャー・アート・フォト・オブ・ジャパン

森村 髙明(著)

 

昨年「目からウロコ、アート写真」をコワゴワと出版してみました。何故コワゴワかと言うと、この世界はまだ未開拓に近い分野であり、今迄の「写真」になじんだ人達には恐らく「違和感」や「拒否反応」があるのではと思っていたからです。「出会いの記録である” 写真を”をいじるなんてとんでもない奴だ」どこからか大きな声が聞こえてくる気がしました。内容的には前回以上に面白く楽しくしてみたつもりです。そしてまわりの同好の方々に「デジタルアート」の「楽しさ」「美術性」「芸術性」について話してみてください。それがひいては「写真」を「美術」に、さらには「芸術」にまで高めていく大きな手段であると確信しています。「小さな一石」は「大きな波紋」の始まりなのです。


目からウロコ!アート写真

森村 髙明(著)

 

 デジタルアート写真を知っていますか?

「とにかく楽しい面白い」やってみればわかります。やってみませんか? 変換ソフトを購入し(高価ではなく、家電量販店で安価で販売)し、手引書に添っ てパソコンを操作するだけで「夢の世界」が待ってます。何だか CM めいた文句ですが、決してウソではありません。 まずは写真を見てください。如何でしたか? 「写真」てそもそも何でしょう?写真家の人達は多くがこう言います。「出合いの記録」だと。

パソコン操作を通して「新しい写真」の世界「新しい芸術」の世界を 創造していく、そういう分野なのです。写真界にも「新しい波」がやってきました。「キレイ」で「新鮮」で「型破り」で、ワクワクしながら楽しんでください。写真を通して「誰もが芸 術に参加できる」「誰もが芸術を楽しめる」そういう世界が今すぐそこまで来ているのです。あなたと私とで一緒に開拓して行きましょう。 


インタビュー : 森村 髙明 (写真家)  


森村 髙明 72才

 

1944 年 群馬県伊勢崎市生まれ。

日本写真協会正会員

日本写真作家協会正会員

英国王立芸術家協会名誉会員

中国書法研究院客員教授

オルセー美術館 世界芸術遺産認定作家

 

インタビュー  :海野 有見

写真 & テキスト:向田 翔一

 

デジタルアートは写真展ではタブー扱い。だからこそやっている。


 

森村 髙明 (以下 : 森村):遠いところから地方までお出向きいただき、わざわざすみません。お世話になります。

 

群馬名物、焼きまんじゅうをご用意しながら笑顔で待っていてくれた。  

 

ー おー、美味しそうですね。

 

森村:美味しいですよー。お口に合うかわかりませんが…

 

ー いやあ、うれしいです。お腹ペコペコなんですー。では、早速いただいてもよろしいでしょうか。

 

森村:昔からよく食べてましたね〜。食事にもおやつにもなるので。

 

ー 美味しい!へ〜、想像をさらに越えてきました〜。

 

森村:お〜よかった。

 

早速、デジタルアート写真について伺った。

 

ー デジタルアート写真は、そもそもどういうキッカケで生まれたのでしょうか。

 

森村:デジタルアート写真のキッカケはね、実は非常に単純な話なんですよ。

 

ー といいますと?

 

森村:美術館とかはよく行かれます?

 

ー そうですね。職業柄、行く機会は多いほうだとは思います。

 

森村:それならわかると思うんだけど、どこの美術展に行っても写真の扱いが悪いでしょ。それはね、写真は「静止画像」であり、動きが乏しいからなのです。つまり、そういう「動きのないもの」、「拡がりのないもの」「ストーリー性」に乏しいものはアート性に乏しいという欠点があるのです。だからデジタルを始めました。「動きがない、リズムがない」したがって「拡がりがない、変化がない」この写真の持つ短所に目をつぶらないで、デジタルソフトの力を借りて「付加価値」を加えていく。それでアートを引出していければと考えたわけです。

 

ー その発想が素晴らしいですよね。多くの人は、今のままでもっと認められたいと思うところですよ。

 

森村:そうかもね(笑)。

 

ー 写真を加工するというのは、「写真は記録」であるという業界セオリーからすればまさにタブーですよね。賞はますます取りにくくなったり、そもそも規定により出品すらできない場合もありますよね?

 

森村: そうですね。実際、そういう経験もしました。だからこそやっています。別に世界的に有名なデジタルアート写真の先駆者として名前を残したいわけじゃないんです。私の役目は、あくまで啓蒙です。みんなにこの楽しい世界を知ってもらいたいな、もっと世の中に拡がっていけばいいな、これだけです。つまり写真界に一石投じて、波紋が大きくなればうれしいなぁと。そこまでです。もう72歳ですから(笑)。

 

ー その結果、近年デジタルアート写真もだいぶ増えてきましたよね。

  

森村:そうらしいですね。とてもうれしいですね。私の影響だなんて言ってくれる人もいるようで、ますます頑張りたいと思っています。

 

ー それはすごいことですね。まさに確信的な切り口で波紋が広がり始めている。

 

森村:これからもデジタルアート写真のおもしろさを少しでも多くの人に伝えていきたい。多くの人がまず「手がけてみて」、それからさらにステップアップしていっていただきたいと思います。それには日頃から「感性」をみがく努力をしていくことがもちろん大切なことになってきます。

 

 

 

森村氏のルーツの話となった。


 

森村:私のキャリアは、本当に浅いです。銀行定年後の趣味として62歳の頃写真をスタートしました。ニコンのD 200でスタートしました。約10年で2台のカメラだから少ない方だと思いますね。他には何も持っていません。

 

ー なるほど。趣味もまた様々なものがあると思いますが、なぜ写真を選んだのですか?

 

森村:これもね、いたって単純な話です。褒められたんです。

 

ー え!?

 

森村:そう、びっくりですよね(笑)。年を取っても褒められるとうれしいものです。コンパクトカメラで、山登りに行ったときに花の写真を撮っていたんですが、知らないプロらしき人に構図がいいと褒められまして、うれしくなってすぐに一眼レフを購入してしまいました。「サルもおだてりゃ木に登る」ってことあるでしょ。(笑)

 

ー コンテストなどへの参加は早い段階でされていました?

 

森村:そうですね。初めて三ヶ月で、地域の写真コンテストに出しまして、そこでグランプリを取りました。花火の写真でしたけど、とにかく驚きましたうれしかったですし、自信にもつながりましたね。いちど自信がつくとあとは早いものですね。

 

ー なるほど、いま点と点が線になりました。通常ですとまず入選するまでに一苦労するところですが、早い段階で業界の流れに入ったがために余計に疑問が出てきたわけですね。

 

森村:そうかもしれませんね。私にとってのターニングポイントは、やはりデジタルアートに出合った65歳の頃でしょうか。そこで今の写真へのいくつもの疑問がどんどん解消されていきました。

 

ー その段階でどういう苦労がありましたか?

 

森村:そうですね。簡単そうに見えて、やってみたら結構難しいところもあるんです。結局、まずは発想ありきの世界ですから。最終的にどういう写真をつくりたいかをイメージしてみて、それから元になる写真を選び出し、さらにそれに合うキーボタンを選んでいく。こうしてイメージを実現させていくわけです。

 

ー その手法を自分のものにしたところで、世界が見えてきたわけですね。

 

森村:そうですね。2015年、ヘルシンキ開催第40回ジャパンウィーク日本代表出展、日中芸術百華大賞、ミラノ国際芸術大賞、オルセー美術館世界芸術遺産認定作家、BESETO北京展写真部門大賞。

2016年、夏目漱石没後100年記念「坊ちゃん」英訳本が英国で出版、表紙・裏表紙の写真を担当。

現代人気美術作家年鑑に掲載、2015年度年間グランプリ受賞。など、突然の出来事すぎて、作者自身が全然ピンと来てなくて、今もおもに海外などからお誘いを多くいただいており、たいへん有難いことだと思っています。

 

ー つまり世の中は、新しい流れを待っていたんですね。

 

森村:かもしれませんね。この「デジタルアートの世界」が国内や海外でしっかりした分野を確立した時に絵画を彫刻、書道、工芸と並んで「写真」も堂々と「芸術」の仲間入りしていることと思います。

 

 

 

最後に今後の活動について聞いてみた。


 

森村:実は、私のライフワークは老人施設のボランティアなんです。

 

ー そうでしたか、それは知りませんでした。

 

森村:これは私が作ったボランティアの形式で、もう10年目に入りました。群馬県内の17箇所の施設で写真を掲示したり、イベント参加、アルバム作成、写真の技術指導などをやっております。

 

ー どのような写真を掲示するのですか。

 

森村:そっちは、デジタルアート写真ではなく、花、花火、山、川、四季の移ろいやニュースがわかるものが中心ですよ。上野のパンダとかね一日中、動物園で動物の表情を撮っていることもありますよ。動物にも泣き笑いがちゃんとあるから楽しいですよ。

 

ー それはそれで楽しそう。他には。

 

森村:ある施設で、廊下に面した各部屋の入り口にそれぞれちがった花の写真を飾りました。バラの部屋、ランの部屋、アジサイの部屋.....とか。

そのおかげで老人が部屋を間違えることがなくなったということで、施設の関係者から感謝されたこともあります。

 

ー トラブルも軽減されますね。

 

森村:実際、老人ホームは部屋を間違えるトラブルがとても多いそうで。それがまったくのゼロになったのはとてもうれしいことです。あとは、施設でイベントがあるとそれを撮影して、アルバムにしてプレゼントしてあげたりもします。もちろん、写真だけじゃなくて、イベントに参加します。水戸黄門の切られ役とかナレーションとか、けっこう楽しんでいます。

 

ー 大活躍ですね!

 

森村:そうなんです(笑)。そちらも健康が許す限りこれからもぜひ続けていきたいと思っています。何しろもう年ですし、1人ですべてやっているので、後継者を早く作らなければと思っています。

 

 


プロフィール


森村 髙明 72才

 

1944 年 群馬県伊勢崎市生まれ。

日本写真協会正会員

日本写真作家協会正会員

英国王立芸術家協会名誉会員

中国書法研究院客員教授

オルセー美術館 世界芸術遺産認定作家