がんばること/がんばらないことの社会学:努力主義のゆくえ

大川 清丈 / 著

発売日:2021/4/18

500円(税込)

発行形態:電子書籍



商品解説


[商品について]

「頑張る」という言葉は、ビジネス、教育、スポーツなどありとあらゆるところに溢れている。しかし、私たちにとって「頑張る」とはどのような意味を持つのかを考えたとき、この問題に真正面から向き合う試みは非常に少ないことに気づく。

本書は「頑張る」およびそのアンチテーゼとしての「頑張らない」という言葉を機軸として、歴史、空間、文化、社会等の比較分析を行いながら、私たちの社会を考察しようとする試みである。

現代社会を洞察し日本人のあり方を問うための、格好の一書。

 

「目次]

はじめに

第1章 「頑張り」=努力主義と平等の日本的文脈

第1節 はじめに

第2節 「平等」の概念的整理

第3節 「タテ社会」と「平等」

第4節 『菊と刀』再読

第5節 「平等」をめぐる「二重構造」

第6節 「平等」の日本的文脈

第7節 おわりに

第2章 中根千枝「タテ社会」論からみた「頑張り」=努力主義

第1節 はじめに

第2節 「タテ社会」論への「誤解」

第3節 「タテ社会」論の文脈――インテリ論との関連

第4節 おわりに

第3章 「頑張り」=努力主義と日本社会

第1節 はじめに

第2節 辞書からみた「頑張り」

第3節 文化的要因(1):能力平等観

第4節 文化的要因(2):同調的個人主義

第5節 制度的要因

第6節 「頑張り」=努力主義の現在

第7節 おわりに

第4章 「頑張る」時代の変容

第1節 はじめに

第2節 アメリカ・モデル

第3節 平等の日米

第4節 1940年代後半:占領・復興期

第5節 1970年代:高度成長末期以降

第6節 1990年代:バブル経済崩壊以降

第7節 おわりに

第5章 「頑張らない主義」の台頭

第1節 「頑張り」への疑問

第2節 「頑張らない主義」本の増加

第3節 おわりに

第6章 戦後日本の「頑張り」=努力主義

第1節 はじめに

第2節 「頑張る」の語義史

第3節 努力の社会学

第4節 おわりに

第7章 儀礼としての「頑張り」=努力主義

第1節 「頑張り」=努力主義研究の系譜

第2節 「頑張り」=努力主義研究の死角

第3節 新しい視点

第4節 おわりに

第8章 「勉強」「頑張り」=努力主義と日本社会

第1節 はじめに

第2節 勉強・勤勉・努力

第3節 頑張る

第4節 「頑張り」とメンタルヘルス

第5節 受験勉強の過熱化

第6節 豊かな社会のインパクト

第7節 おわりに

第9章 新聞投書欄から見た「受験」と「頑張り」=努力主義57

第1節 問題の所在

第2節 分析対象

第3節 単純集計から

第4節 分析コード

第5節 分析結果(1)

第6節 分析結果(2)

第7節 おわりに

第10章 「頑張り」=努力主義の日英比較

第1節 問題の所在

第2節 記事検索

第3節 記事分析

第4節 おわりに

第11章 近代社会における「努力」についての比較社会学的考察

第1節 はじめに

第2節 江戸時代における能力

第3節 メリトクラシー社会

第4節 理論から比較へ

第5節 能力主義と努力主義

第6節 イギリスにおける努力主義

第7節 武士という理想

第8節 第1の近代/第2の近代

第9節 おわりに

補論 ベンディクス比較歴史社会学の検討

第1節 はじめに

第2節 ウェーバーとベンディクス

第3節 比較歴史社会学の端緒

第4節 比較歴史社会学の展開

第5節 自伝からのアプローチ

第6節 比較歴史社会学の総体的評価

第7節 ベンディクスからウェーバーへ

〈参考文献〉

あとがき

初出一覧

著者略歴

 

[出版社からのコメント]

コロナウィルスによる私たちの働き方の変化は、戦後の「頑張る」社会に終焉をもたらすほどのインパクトがあります。同じ職場で働くということは、実は「頑張り」を見せ合う場でもあったことに、リモートワークの広がりによって私たちは気づきつつあります。コロナウィルスの問題が終息した後に私たちの社会がどの様な変化を見せ、私たちはどう考えていけば良いのか、本書にはそのヒントが詰まっています。

本書を通じて、私たちの社会について考える時間を持っていただければ嬉しく思います。

著書プロフィール


大川 清丈(おおかわ・きよたけ)

 

1964年、東京都生まれ。

1987年、京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。

1993年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程社会学専攻単位取得満期退学。

大谷大学特別研修員、甲子園大学人間文化学部比較文化学科専任講師、同人文学部社会文化学科専任講師、同准教授、帝京大学文学部社会学科准教授を経て、

現在、帝京大学文学部社会学科教授。

専攻、比較社会学、歴史社会学。

 

主要著書

 (共著)(筒井清忠編)『歴史社会学のフロンティア』人文書院、1997年。

 (共著)(筒井清忠編)『日本の歴史社会学』岩波書店、1999年。

 (共著)(西村 健監修、藤本 修・白樫三四郎・高橋依子編)『メンタルヘルスへのアプローチ――臨床心理学,社会心理学,精神医学を融合して――』ナカニシヤ出版、2010年。

 (共著)(井上 俊・伊藤公雄編)『日本の社会と文化』(社会学ベーシックス 10)世界思想社、2010年。

 (共訳)(植村和秀・大川清丈・城 達也・野村耕一訳)ジョージ・L・モッセ著『フェルキッシュ革命―ドイツ民族主義から反ユダヤ主義へ』柏書房、1998年。

 (共訳)(牟田和恵監訳、中里英樹・大川清丈・田野大輔訳)シーダ・スコッチポル著『現代社会革命論―比較歴史社会学の理論と方法』岩波書店、2001年。

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