大塚亮治の面の世界 古典の面から創作面まで

大塚 亮治 / 著

発売日:2020/5/28

1,250円(税込)

発行形態:電子書籍



商品解説


「彫刻家であった私が「面打ち」を始めた理由の一つは、その当時の彫刻の世界が、私には明治以来の欧化思想の流れでしかないように見えたからです。長い歴史に目をつむり尺貫法をメートル法に変えた考えと同じように思えました。日本人の心や生活の尺度をすべて変えても平気でいられる神経と同様に、現代彫刻の世界も、私には何か異質の文化としてすんなりと受け入れられないように感じていました。

そんな時出会った能狂言面などの日本の面は、彫刻として世界に誇れる光を放つものでした。それらは造形において、確実な写実を基とした、鋭い抽象的な表現の鮮やかさを備えています。それに加え、個性あふれるその作品は、舞台で使われる道具と言われる存在でありながら、「個」であり、存在感に満ちたものに思えました。面打ちは室町の頃からの伝統の世界ではあるけれど、能楽師とは違い、江戸時代と共に一度立ち消え、明治に改めて新しい流れとして始まっています。彫刻家の私の視点からも、伝統を受け継ぎつつ、これから新しい展開が可能な世界だと思いました。(中略)

今回の出版には、私自身がこれまで創作してきた作品を通して、世界に誇れる日本の文化のもつ、精神性の高さや可能性に、改めて気づいていただけるきっかけになればうれしいという想いを込めました。創生期の面打ちと演者が、共に主張し合いより優れた作品を生んだように、世界が、一つでなく、違ったものを主張し合い、お互いを認め合って共に生きていける世界になることを、希望しています。」(本書「はじめに」より)

著書プロフィール


大塚亮治(おおつか・りょうじ)

彫刻家・面打師

1945年、静岡県島田市に生まれる。

1967年、多摩美術大学彫刻科を卒業、現代彫刻家として活動を始める。

能狂言面に魅せられ、創成期の鎌倉・室町期を中心に能狂言面の研究を重ね、独学で面打ちの技術を修得。写しの世界である面打ちの世界から、創作面という新しい道を切り拓いた。

東京、京都、静岡で定期的に個展を開き、作品を発表し続けるとともに、これら三都市で面打教室を主宰、面打ちの技術を広めている。

 

2020/5/28)

 

2007

黒川能の調査、研究、修復

江戸里神楽和歌山胤雄社中(国指定重要無形民俗文化財)に『十六』『飛出』納める

 

2008

黒川にて修復。黒川能へ『猿』2面を納める

【二人展】「面と型染め」展―静岡カントリー浜岡コース カルチャーフロア

 

2009

島田笹間神楽の依頼で神楽面を2面納める

黒川能へ『土蜘蛛』を納める

 

2011

個展「大塚亮治面展」 銀座かねまつホール 

個展「大塚亮治面展」 風流ホール(熊本市)

 

2012

木彫母子像を制作、創作面「石っ子」とともに設置

愛鷹保育園子育て支援センタ ー(沼津市)

 

2013

観世流能楽師青木道喜氏の依頼により復曲能「泣不動」のための創作面「泣不動」を制作、京都市清淨華院にて演能される

 

2014

宮城県東松山市に建立の津波石にブロンズ母子像『伝えゆくもの』が設置される「百面創展」‥生徒との百面展示会…(東京かつしかシンフォニーヒルズ)

 

2015

獅子頭制作 宮城県女川町伝統芸能獅子舞復活のため子獅子を制作寄贈する

「百面創展」(京都文化博物館)

木像『守護神』を個人の依頼で制作

 

2016

ブロンズ像『走る少女』を依頼により宮城県東松島市の津波石に設置

肖像彫刻(木彫)を個人の依頼により制作

「百面創展」(静岡県立美術館)

 

2018

「百面創展」(東京かつしかシンフォニーヒルズ)

 

2019

個展「大塚亮治の面展」(銀座かねまつホール)

 

ホームページ・アドレス:https://himakenshiyu.jimdofree.com/

 

[舞台写真提供】

静岡県文化財団

京都新聞社

(有)コースケ事務所

駒井壮介氏

金の星渡辺写真場

【面写真撮影】

大塚亮治

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