平凡な中学一年生の弥太郎は、岸岳城跡を見に行った帰り道で交通事故に遭う。弥太郎は不思議な老人に命を助けてもらうかわりに、四百年前にタイムスリップし、岸岳城の城主の息子・弥太郎として過ごすことになる。次第に戦国時代の生活にも慣れ、親友そっくりの青年・佳兵衛と友情を深めていく弥太郎。しかし岸岳城は、豊臣秀吉によって今まさに滅ぼされようとしていた――。
現代の少年の眼を通して、佐賀県波多氏の没落と岸岳城の悲劇を描いた異色の歴史小説。
鶴 良夫(つる・よしお)
昭和7年、佐賀市に生まれる。
昭和30年、佐賀大学卒業。
佐賀市において県立盲学校、昭栄、成章中学校に勤務。その後私立東洋音楽大学付属高校を経て、音楽之友社教科書編集室臨時嘱託となる。後に世田谷、新宿区で小学校、中学校の音楽教師を専任。昭和60年3月退職。著書に『ガンバレ! 理枝先生』(ぎょうせい社)、『佐賀ん町を馬鉄が走る』(リーベル出版。これは1988年2月13日から6月14日まで『佐賀新聞』に連載)、『筑後川渡船転覆』(リーベル出版)がある。
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