若月俊一とルドルフ・トイスラーのDNA:日本医療史に名を残す「佐久病院」「聖路加病院」と、人を育て医に尽くした若き二人の医師の記録

西沢 孝洋 / 著

発売日:2021/4/20

1,000円(税込)

発行形態:電子書籍



商品解説


[商品について]

――昭和6年にアメリカから聖路加病院を訪問した有名人は、次の誰でしょうか。

1.ベーブ・ルース、2.チャールズ・リンドバーグ、3.チャールズ・チャップリン

当時としては大変な冒険をした人物として知られています。正解は、本書第2部第3章内「アメリカのヒーローが訪問」をご覧ください。

 

太平洋戦争の末期の昭和20年に、農民のために働く医師になろうと決意して佐久に赴任してきた若き外科医・若月俊一が、先進的な取り組みを行い外科医として優れた業績をあげながら農村医療の拡充に尽力し、やがて「農村医療のメッカ」と言われるまでになった佐久総合病院。宣教師ウィリアムズの築地進出と共に始まり、バージニア州立医科大学の助教授として輝かしい将来を持ちながら、志を持って来日した若き医師ルドルフ・トイスラーによって人材・設備ともに国際級の病院への道を歩み続け、日本を代表する病院となった聖路加病院。本書は、資料を渉猟して、この2つの病院の歴史と現在を追いながら、日本の医療の発展の道すじを描いた作品である。

 

[目次]

推薦のことば

第一部 佐久病院物語

プロローグ

田舎町に奇跡の病院

運命的な若月の赴任

第1章 産業組合時代

無医村の組合が医院経営

賀川豊彦の組合病院運動

南佐久に待望の病院

若月が着任、外科の腕をふるう

戦後民主化と病院劇団部の結成

第2章 若月院長の始動

従組委員長から病院長に就任

まずは病院祭と農村医学研究会

農協誕生時に病院譲渡の危機

病院大会で農村医療の本質に迫る

公的病院の制度化と病院界

難病手術に成功、農民特有の病気も

第3章 奇跡を起こす病院

病院がもつ力の二割を公衆衛生に

八千穂村・全村健康管理の劇的効果

職場の隅々までエネルギー

生産優先時代に農薬公害を研究

佐久病院の拡大と農村医大構想

野球部が四年連続日本一の偉業

佐久方式を国の保健事業に応用

老健施設と在宅ケアに取り組む

第4章 後継者たちの時代

若月退任、芥川賞作家が半生記

松島院長と清水・夏川副院長

低医療費で長寿、長野モデルの原点

南佐久郡南部五町村の診療拠点

病院巨大化と医療政策のズレ

新制度の研修医たちが最大勢力に

ドクターヘリで究極の救命救急

平成の大合併で病院にも転機

60周年記念誌に夏川院長の思い

第5章 病院再構築へ

佐久病院の地域医療と連携の姿

施設の老朽化を研修医が敬遠

分割移転の再構築計画が暗礁に

ようやく決着、これからが本番

第二部 聖路加病院物語

プロローグ

後継者たちの強烈な言葉

第1章 築地居留地時代

宣教師ウィリアムズの築地進出

安政の開国で中国から長崎へ

西洋医学の導入と病院の歴史

宣教医師の派遣なく苦難の時代

第2章 トイスラー院長の創設期

トイスラー、二十三歳の来日

ゼロからの出発を決意

聖路加病院が開院

外科学の最高峰を迎える

万博開催計画から国際病院を構想

明治末期の日本の病院

明治天皇から褒状と花輪

大隈らが後援会、日露戦の功労者も

第3章 国際的病院の建設

アメリカで建築資金の募集を開始

シベリアで「汽車病院」を走らす

高女卒資格の看護学校

関東大震災で病院焼失

聖公会が土地提供、三ブロック揃う

公衆衛生の導入に取り組む

治療と同時に予防にも

全米を巡回して募金活動

世界情勢と日米関係

アメリカのヒーローが訪問

本館完成、最後の帰米旅行に

トイスラー死す

対米英蘭戦を準備、久保総長の急逝

第4章 橋本院長時代

橋本院長就任、太平洋戦争へ突入

焼け野原に連合国軍が上陸

アメリカ軍が接収、24床の仮病院へ

診断と治療を分業化、組織医療の追求

戦後復興期の日本の病院

医療法制定で病院団結の機運

日本病院協会が発足、橋本は学会設立へ

旧館と学校が返還、人間ドックを開始

診療情報管理の普及事業にも

第5章 病院界の向上発展への道

本館返還、橋本院長が病院協会長に

新医療費体系で医師会と対立

中医協改組、病院協会代表は不在に

政治から勉強へ

中医協問題のその後

東京の発展と病院の知名度

第6章 日野原院長・理事長時代

日野原が卒後研修を統括

「よど号事件」から生還、院長代理に

一泊ドックの開発と「習慣病」の提唱

橋本院長永眠、日野原は看護大学長に

改築計画に異論、新病院建設に参画

全個室の病院構想と三街区の再開発

新館落成、特別室と在院日数の短縮

新病院の院長を日野原に要請

地下鉄サリン事件

院長から理事長へ、高齢者に希望

監修のことば

あとがき

参考文献

 

[出版社からのコメント]

コロナウイルスの蔓延は奇しくも医療に従事する多くの方々の志を浮き彫りにすることになりましたが、そうした医療に対する思いは、長い時間をかけて先人たちによって積み重ねられたきた努力の賜物なのだろうと思います。本書の中にある日本の医療に大きな貢献をした2つの病院のドラマを通じて、そうした医療への思いを感じ取っていただければ嬉しく思います。

著書プロフィール


西沢孝洋(にしざわ・たかひろ)

 

昭和19年、北海道佐呂間町生まれ。高崎経済大学卒業。

昭和54年~平成17年、日本病院会勤務。

平成17年~22年5月、日本病院共済会取締役。

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