IgA腎症とヘモフィルス・パラインフルエンザ菌:その発症メカニズムの解明を目指して

鈴木 亨 / 著

発売日:2021/2/13

1,000円(税込)

発行形態:電子書籍



商品解説


[商品について]

―IgA腎症発症機序の発展は、ここから始まる―

IgA腎症は、慢性糸球体腎炎のうち、糸球体メサンギウム細胞と基質の増殖性変化とメサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物を認めるものをいい、蛋白尿や血尿となってあらわれる。本書は、そのIgA腎症について、IgGとIgMの糸球体沈着や補体沈着の意義、IgA1の糸球体優位沈着、発症形式の検討等から「IgA腎症の病因抗原としてのHaemophilus parainfluenzae菌体外膜抗原および扁桃の関与」として進展した研究を、未発表の成果も含めてまとめたものである。緩徐なIgA腎症の発症機序に関する研究の更なる進展を促す一書として、示唆に富む内容となっている。

 

[目次]

はじめに

1.IGA腎症の定義

2.IGA腎症の疾患概念

3.IGA腎症の診断基準

4.IGA腎症における免疫グロブリンIGGとIGMの糸球体沈着の意義

5.IGA腎症における補体の糸球体沈着の意義

6.IGA腎症における糸球体沈着IGAの性状

7.IGA腎症の発症形式(急性発症型および潜在型)の検討

8.IGA腎症の発症機序(仮説)

9.IGA腎症の実験モデルの病因抗原

10.IGA腎症の病因抗原

11.IGA腎症の発症機序:想定した病因仮説

12.IGA腎症の発症機序:HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌の着想

13.HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAEについて

14.HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAEに対する血中IGA型抗体

15.家兎抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体の作製

16.HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原のアミノ酸分析

17.IGA腎症患者におけるHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原の糸球体沈着

18.IGA腎症におけるIGA型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の高値

19.糸球体IGA沈着とIGA型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の関係(IGA腎症および他の糸球体疾患において)

20.IGG型およびIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体の存在

21.IGA腎症および他の糸球体疾患におけるIGG型とIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価

22.IGA腎症および他の糸球体疾患における糸球体IGG(IGM)沈着とIGG(IGM)型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の関係

23.IGA腎症の急性発症時における肉眼的血尿とIGA型,IGG型およびIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の関係

24.IGA腎症および他の糸球体疾患における血清中IGA(IGG,IGM)値と血清中IGA(IGG,IGM)型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の関係

25.IGA腎症におけるHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAEと扁桃・扁桃リンパ球に関する研究

26.扁桃における抗原提示

27.IGA腎症における扁桃の関与

28.IGA腎症患者の扁桃組織におけるIGA,IGG,IGM,IGA1およびIGA2陽性細胞に関する研究

29.IGA腎症における扁桃組織構成リンパ球の特徴に関する研究

30.HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原と扁桃組織における局在

31.IGA腎症患者扁桃・咽頭から分離されるHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAEの遺伝型の研究

32.IGA腎症および他の糸球体疾患における唾液中IGA値と唾液中IGA型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価の関係

33.IGA腎症および他の糸球体疾患における唾液中IGA1型およびIGA2型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体の関係

34.IGA腎症におけるSTREPTOCOCCUS SANGUISおよびSTREPTOCOCCUS MITISの口腔内共存に関する研究

35.IGA腎症の発症(機序)にとり示唆に富んだ症例

36.扁桃摘出の血清中IGA,IGGおよびIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価に及ぼす影響

37.〈扁桃摘出+ステロイドパルス療法〉の血清中IGA,IGGおよびIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価に及ぼす影響

38.IGA腎症扁桃リンパ球のHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原に対する免疫応答

39.IGA腎症患者尿からのHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAEのDNAの検出

40.IGA腎症患者尿からのIGA型免疫複合体(抗原:HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE)の検出

41.尿中IGA型免疫複合体(抗原:HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE)に及ぼす扁桃摘出の影響

42.IGA腎症とHENOCH-SCHÖNLEIN紫斑病,扁桃摘出とステロイドパルス療法にとり貴重な症例

43.IGA腎症および他の糸球体疾患における尿中IGA型,IGG型およびIGM型抗HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE抗体価

44.小児のIGA腎症とHENOCH-SCHÖNLEIN紫斑病性腎炎におけるHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原の関与

45.HENOCH-SCHÖNLEIN紫斑におけるHAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原の局在

46.HAEMOPHILUS PARAINFLUENZAE菌体外膜抗原を用いたIGA腎症モデル

あとがき

文  献

〈著者略歴〉

 

[出版社からのコメント]

研究者にとっては、自身の研究の上に新たな研究が積み重ねられ古くなっていくことは何よりも嬉しいことだろうと思います。本書は、研究者や医師などの医療専門家向けに書かれた作品ですが、図版を多用し記述もコンパクトにまとめられており、学部生やこれから研究を志す方も参考にしていただける内容となっています。本書が礎石となって、さらなる研究が構築されることを願います。

著書プロフィール


鈴木 亨(すずき さとる)

 

昭和55年 新潟大学医学部卒業

  63年 新潟大学文部教官・助手

     (医学部第2内科講座)

平成2年 医学博士取得

  7年 福井医科大学医学部・助教授

     (腎臓内科・臨床検査医学講座)

     新潟大学医学部 非常勤講師

     滋賀医科大学医学部 非常勤講師

  14年 鈴木クリニック開設・院長

 

(所属学会)

昭和63年 日本内科学会認定内科医

平成3年 日本腎臓学会認定専門医

  4年 日本腎臓学会学術評議員

  5年 日本透析医学会認定専門医

  7年 日本血栓止血学会評議員

  25年 日本腎臓学会評議員

 

(研究助成の取得)

(IgA腎症の発症の病因解明に関する研究に対して)

平成7年度 財団法人黒住医学研究振興財団 研究助成費

  9年度 日本医師会 医学研究助成費

      新潟大学医学部学士会 医学研究助成金

 

文部(科学)省科学研究費補助金

平成元年度 奨励研究(A)

平成6~11年度 基礎研究(C)

平成12・13年度 基盤研究C2

 

厚生科学研究費補助金(特定疾患対策研究事業)

平成13年度 特定疾患の微生物学的原因究明に関する研究班(班員)

 

(著書)

IgA腎症とパラインフルエンザ菌:私のIgA腎症研究史(東京図書出版会)

ドラ先生の独り言(青山ライフ出版)

続・ドラ先生の独り言(青山ライフ出版)

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