歴史から消えた男・千々石ミゲルの生涯とは――
「ミゲル様、これからどうするおつもりでございますか」
「いろいろと心配してくれて有難う。先のことはわたしにも皆目分からない。ただ、回りに気を遣ったり、自分を殺してまで納得できない道は歩けそうにない。これは性分だから仕方ござらん」
とミゲルは寂しく笑った。
(本文より)
天正遺欧少年使節のひとりで、のちに棄教してキリスト教から離れ、歴史から消えた男・千々石ミゲルの後日譚。大村喜前との仲違い、喜前の家臣の執拗な追跡、修行僧として巡礼に励みつつ潜伏キリシタン達に情報と生きる勇気を与える日々。そして最後には……男の生涯を描いた、壮大な歴史小説!
鶴 良夫(つる・よしお)
1932年,佐賀市に生まれる。
著書に『ガンバレ!理枝先生』(ぎょうせい)。『佐賀ん町を馬鉄が走る』(リーベル出版)これは,1988年2月13日から6月14日まで『佐賀新聞』に連載。『筑後川渡船転覆』(リーベル出版)。『岸岳城へ翔ぶ』(鳥影社)がある。
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