困難に立ち向かった家族の記録…闘病記を綴る一冊。

風のつらら

柴沢 真也/著 

発売日:2017年9月01日

500円(税込)

装幀

カバー/22世紀アート

デザイン/22世紀アート


発行形態:電子書籍

ジャンル:ライフ



 この冬はやはり少し寒さがゆるい。それは雪の量にも現れて来るんだろう。ところが五日前の二月九日には今年としては珍しく、午後からちらちらしているうちいつの間にか積もってきた。雪は六時頃になると道で五センチ、庭の芝生の上では、十センチにも見える。雪が積もったのはそこまでであったが、寒さがそのころから増してきた感じはする。その事を感じだしたのは庭の水道の蛇口が凍り出したから。凍れば朝湯をかけて溶かしたりするのだけど。

 

 十四日の朝はこの日も五時頃に目が覚めてしまい、窓越しに外灯に照らされた庭を見る。寝る前少し蛇口をひねって水を流しておいたのに部屋から見ると水が止まっているようだ。凍っているみたい。あの日もそうだった、私は二年前を思い出す。あれは2006年の正月明けのこと。

著書プロフィール


柴沢真也(しばさわ なおや)

1940年生まれ。

 

詩集

「一九才の夏」思潮社(1965)

「ちょうちょの頭も跳びこえて」鳥影社(1985)

「雨の日はざりがに」等。

 

海外

1990年代初め、Teresinka Pereira 博士(米)の機関誌に詩。

詩 BLUE SAINT がキム・ヨンサム博士により韓国語訳(韓国誌)(11992)。1995年より月刊誌POET(印)等に誌作品(07年まで)。

Santosh Kumar(Allahabad)博士編:THE EDGE OF THE METAPHORにTHE SHARK PLAYS WITH A BLACK CAT等の作品が入れられる(2004)。詩集 MEMORIES(2005)。国際詩人アカデミー [Dr. Krishna Srinivas 議長]よりミレニアム詩人賞(2000)等。英語名 NAOYA SHIBASAWA 


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コメント: 31
  • #31

    いく (日曜日, 10 12月 2017 19:34)

    流れる水は命を紡ぐよう、寒さは蝕み凍らせる。目をかけてやらないと、止まりかけゆく灯火は一瞬にして天に昇るる煙となる。共に過ごした時が長くても最期が別なら不幸であるか。応えのない問いを幾時問えば貴方の元に行けるのか。

  • #30

    こまこ (火曜日, 05 12月 2017 13:35)

    人は若返る事も、生まれなおす事も出来ない。ただ老いに向かって進み続けるほか選択肢は無い。当たり前のことを落ち着いた文章の中から感じとる。読み終わり、どこか「諦め」に似た達成感のようなものを抱いた。

  • #29

    ローレンツ (土曜日, 25 11月 2017 12:39)

    がんと闘う本人や支える家族の姿が浮かびあがってくるかのような一冊です。毎日健康でいられる日々って幸せなことだと、感謝して生きていきたいです。

  • #28

    さきあきあみ (金曜日, 24 11月 2017 15:14)

    癌は自分とは無関係に思えなくなった今。もし自分が同じ状況になったら、余裕がなくなりわがままになってしまうのだろうか、夫はここまで献身的に介護してくれるだろうか。自分と重ねて考えたくないけれど、もしもの時に備えて覚悟だけでもしておこう。そう思いながら読みました。癌が結核のように制服されればいい。私も心からそう思います。

  • #27

    sugarpine (金曜日, 24 11月 2017 01:26)

    約30年連れ添った妻の癌発覚から自宅で最期を看取るまでの日常が淡々と描かれている物語である。
    決して多くは語らずとも、妻への愛情やこれまでの家族の様子などが読み手に深く伝わってくる。そこにあるのはどこまでも続く現実と、海の底のようにしんと冷たい悲しみである。
    限りある命と何気ない日常の大切さに気付かされた。

  • #26

    冨士男 (木曜日, 23 11月 2017 22:42)

    手術で治癒すると思ったのに放射線治療が必要となった矢津子、そのあたりから微妙に人間性が変化するのがよく分かる。さらに末期に近づくに従って、読者の私は何故かご主人に味方をするようになっていた。
    でも、その矢津子が息を引き取った時、山のように出て来るご主人の反省の言葉「ああもしてやれば、こうもしてやれば」いつの間にか私まで反省し、メガネを濡らしていた。
    作者の方にしてやられた感じだった。

  • #25

    冨士男 (木曜日, 23 11月 2017 22:07)

    今では二人に一人が癌を患うと言う時代。
    明日の私が矢津子さんなのかもしれない。
    昨日できていたことが今日できなくなる。
    整理が出来ないうちに、後ろからまた一つ。
    その数の分だけ、私の理性は剥がされていく。
    私も言うかもしれない「一緒に死んでよ」

  • #24

    冨士男 (月曜日, 20 11月 2017 16:00)

    この作品は決して人ごとではないと思った。
    ページを捲るにつれ矢津子さんが私の女房で、あって旦那さんが私と被る。でも私にはこんなにも自分を殺せないだろうし、殺してまで尽くせないと思う。

  • #23

    (金曜日, 10 11月 2017 02:45)

    風のつららを読んで思ったことは
    病気と戦うのはどんなに辛いかわわからないけど伝わってくるものがあった。

  • #22

    ピーちゃんの父 (木曜日, 09 11月 2017 21:03)

    この作品は、長年連れ添った妻が癌に罹患し、死を迎えるまでを綴ったものです。
    作者は77歳。二人暮らしの日常を淡々と描いています。抑えた筆致から、何ともいえない
    作者の悲しみが伝わってきました。

  • #21

    大樹 (日曜日, 05 11月 2017 22:53)

    「風のつらら」は、がんを患わった筆者の気持ちがよく分かる話である。生きたいという気持ちがよく伝わることは共感する。

  • #20

    オカサミ (月曜日, 30 10月 2017 21:14)

    医学の発展により、様々な治療法や薬が生み出されているのに、「ガン」という病は決定的に人に絶望感を与える。自分がそうなったとき、家族がそうなってしまったとき、私は、そして家族は何を思い、どうするだろう。頭で想像することは必要だけど、悲観的な想像をすることは困難を極める。せめて、その絶望的な戦いの記録を読むことで、追体験して心構えだけはしておける。悲しいけれど、現実がここにある。

  • #19

    おひまま (木曜日, 26 10月 2017 17:10)

    迫りくる死を前に、わがままに否定的に、怒り、泣き・・・決して美しくはない八津子の最期。なのに、なぜかどうしようもなく愛おしく感じるのは、美化しない表現が現実味を増して、自分や最愛の人の最期を考えさせるからだろうか。淡々とした表現が、忍び寄る死のイメージとマッチし、すとんと心に落ちてくる。

  • #18

    ぱぼち (月曜日, 23 10月 2017)

    癌と戦いながら一生懸命生きている物語がすごく伝わって来た!この人の気持ちになつて読んでみると感極まって感動した。

  • #17

    ぬー (日曜日, 22 10月 2017 16:59)

    このような作品をありがとうございます。こんな本を待っていた。すごい!名作中の名作といえます!!!!!じっくり読んでもいいし、人へのオススメにぴったりです。

  • #16

    ♪もも (日曜日, 22 10月 2017 16:51)

    すごくすごく、いい作品!!!!!自分で買って、じっくり読んでもいいし、人にもオススメできます。こんなに、コストパフォーマンスが良い作品なかなかないです。ありがとうございます。

  • #15

    亜麻仁油 (金曜日, 20 10月 2017 00:51)

    こんばん、よろしくお願いします!!ぼくは、本を読むことにも今までまったくきょうみもない、最近の若者で現代っ子だけれども・・・。本を読んで、この作者のファンになりました。
    皆も読んでみて。

  • #14

    きらら (木曜日, 19 10月 2017 16:02)

    素晴らしい本です!!!親戚や友達にも勧めたいです!!!!!
    恥ずかしながら、こういったジャンルの本は初体験。詳しくわかって良かった。知ったかぶりはいけないとあらためて気づかせてくれました。

  • #13

    豆大福 (木曜日, 19 10月 2017 12:58)

    この作品はとっておき。出会うべくして出会えて良かった!!この書籍は、現代を生きる私たちに必読の書だと思う。ぜひページをめくってみてみよう。新しい世界があなたの目の前に広がるはずだよ。勉強にもなるし、純粋な心持ちにもなります。

  • #12

    アルルの乙女 (木曜日, 19 10月 2017 11:04)

    こんな作品を待っていたような気がします。この本は、現代を生きる私たちに必読の書です。ぜひページをめくってください。新しい世界があなたの目の前に広がるはずです。秋の夜長に読みました!

  • #11

    タカナ (水曜日, 18 10月 2017 13:45)

    この本は、現代を生きる私たちにとってのバイブルであり親友です。どうしようもないとき、ぜひページをめくってください。私は、読んであしたへの元気がでました!

  • #10

    En (水曜日, 18 10月 2017 13:26)

    教科書では分からない本当にみずみずしい描写がある書籍。この作者でしか出せないような、圧倒的な思いと瑞々しい感覚のある愛おしいくあたたかみのある作品。気高く気品に満ち溢れていました。

  • #9

    寿 (木曜日, 12 10月 2017 18:14)

    「風のつらら」を読んで、がんに侵されても希望を持ちながら、未来を信じて生きていくことの大切さに共感をした。

  • #8

    ヤシの実 (木曜日, 12 10月 2017 18:06)

    こんにちは、よろしくお願いします!!ぼくは、文学にも今までまったくきょうみもない、最近の若者で、いわゆる現代っ子だけれども・・・。本を読んで、この作者のファンになりレビューを書きました。
    読み応えあります。

  • #7

    氷の世界 (水曜日, 11 10月 2017 10:24)

    なみだがでるほど、こころがふるえました!!!!!この本はまさにてんさいだ・・・。作者は言って見れば、日本の21世紀のヘミングウェイのようだ。人に勧めたいと思える本がひとつ増えました。次回作も期待してます!

  • #6

    12月の旅人 (水曜日, 11 10月 2017 10:17)

    子供の時から、文学に興味がなく、本を読むこと自体が苦手だった私。
    ですが、たまたま偶然にも、この本を読んで、おどろいた!!!言葉の一つ一つが心に突き刺さるのだ・・・この本に出会えて本当によかった。
    また読み返そう。

  • #5

    ジョニーの母 (土曜日, 07 10月 2017 11:02)

    長年連れ添った妻が乳がんを患い、その看病を続ける夫が日々のことを綴る文体となっている。手術後も放射線治療などを行う様子が細かく描写されておりガン治療とは具体的にはこのようなものなのだという理解も深まった。妻が回復に向かうことを願いつつ読み進めるも皮膚転移による再発、そして末期に向かうにつれて妻の精神状態は厳しいものとなり夫は介護と精神面の支えとで疲弊していく様子が窺われるが、淡々と綴られた文体からはそれを想像させることが少なく実際はもっと壮絶であっただろうと思われる。

  • #4

    (土曜日, 07 10月 2017 11:02)

    こんな風に生きてみたい。とっても大変だろうけど。この本は、現代を生きる私たちにとっての読むカウンセラーです。どうしようもなく悲しいとき、ぜひページをめくってください。私は一気によんでデトックスできました!

  • #3

    風を集めて (金曜日, 06 10月 2017 15:41)

    便利なサービスの一方、人間味のない社会に囲まれた現代を生きていると、自分の心と体まですさみ果て、社会の末端の一部でしかないような気持ちになる。そんな時に、この本を読むと、こんなにも力強く、美しいきもちになれる。

  • #2

    ダヤコはん (月曜日, 25 9月 2017 11:01)

    身内や身近な人の病は辛いもの。しかし、そのような現実に差し掛かった時、避けていくわけには行かない。それは見送る立場の者も病人本人もだ。この本は以下の2つを教えてくれている。一つ目は病人自身にとって何らかの未来への希望を抱けるという状況はとても大事だということ。二つ目は見送る立場の者には、見送ったあとは疲れと大事な人を失った虚空という過去と現在が合わさったつららのような感情がしばらく残るということ。それはいつか春がくれば溶けると、生きている風を感じながら超現実的に分析している主人公。伴侶の癌という病との付き合い方を綴った、現代の誰しもが遭遇しうる物語だ。私も現在、父が癌のステージ4なため、自分事のように感じながら一気に 読んでしまった。病人も家族もそれぞれ自分を大事にしながらも、一度しかない人生を全うすることが描かれていてとても共感できた。大事な家族への想いは、きっとその想いの分だけ長いつららになるのだろう。

  • #1

    ナフナン (水曜日, 06 9月 2017 14:15)

    乳癌を患い治療に専念する妻と、一番近くで見守り励まし、ときに翻弄される夫。夫婦の愛の物語に胸がじーんとしびれる。確かな文章で引き込まれていき、タイトル、表紙のデザインともに、ストーリーを象徴しているようだ。