とがった心が丸くなる:障がいのある子どもたちとの出会いからうまれた元気物語

(著) 高崎明

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作品詳細

[商品について]
――あるコンサートが盛り上がる中で、障がいのある一人の子どもがフラッと舞台にあがり、一緒に演奏を始めました。その楽器は次のどれでしょうか。
1.マリンバ、2.タンバリン、3.ボンゴ
正解は、本書第4章「1 とびきりステキな子どもたち」内の「ヒラヒラッと舞台にあがってしまって」をご覧ください。

会社を辞めてマッキンリーに行くほどの山好きが、不運な滑落事故によって足を痛め山を諦めざるを得なくなった後、たまたま就いたのが養護学校の教員という仕事だった――。これまで特殊教育とも障がい児とも無縁で、三十歳を過ぎるまで教員の経験もなかった著者が、まったく白紙の状態で飛び込んだこの世界で出会った、型破りでうらやましいほどの自由をもった、とびきり楽しい子どもたち。近所の公園で月二回集まる「あそぼう会」、手づくりクッキーやおでん、人形劇など皆でワイワイさわいだ「あそぼう市」、毎月手打ちうどんのお店をだすようになった「あおぞら市」、自分たちで芝居をつくり上演する「演劇ワークショップ」など、エネルギーに満ちた新鮮で新たな世界を生きなおす著者と子どもたちの歩みの軌跡と、切り拓こうとする未来の記録。

[目次]
はじめに
●口絵1● 歌だ、踊りだ、お芝居だ──ワークショップⅠ【第1期・第2期】
「あそぼう会」の歩み
第1章 街かどのパフォーマンス みんな集まれ、みんなでワッショイ
ある日、街かどににぎやかな舞台が………
演劇ワークショップって何?
海の〝ぬいぐるみ〟とおシシの〝うんこ〟
なおちゃんのこと
ホンネをドカンと突きだす
歌がしんしんとしみた
アンタっていうセンセイはなんなのさ
ヘビはネコをかみません
どうにもお尻がムズムズしだして
瀬谷ワークショップが生まれるまで
第2章 チャップリンもまっ青 歌だ、踊りだ、お芝居だ
「この女のヤロウをとじこめちゃおうぜ」
絵を描いたら、青春まっ最中
〝恋人〟ということばが妙に新鮮で
〝子ども組〟〝大人組〟、それに〝混成チーム〟
「おまえたちは、もう死んでいる」
子どもたちの〝やさしい反撃〟
●口絵2● ハラハラおかしい「森は生きている」──ワークショップⅡ【第3期】
第3章 教室が芝居小屋に変わった お客も役者もクッタクタ
□1□ 『海賊ジェイク』がゴンゴンすすむ
〝どうなっちゃうんだろう〟という不安がたまらない
お客さん、波になる
お客も役者もクッタクタ
□2□ 『ちびくろサンボ』がワッホイホイ
朝一番、歌をうたうといい気分
トラのしま模様があっちむいたり、こっちむいたり
三十人ずつ、「ワォー」「キャーッ」
お父さんと二人でルンギーはいて
近所のおばさんも舞台に立つ
□3□ 二人でトーク子どもと出会い、自分と出会うこと
「自分のために何かするなんて、はじめて」
〝いっしょにやる〟っていう感じがすごくうれしかった
あのときの緊張感は、いま思いだしてもたまらない
第4章 子どもたちといっしょに街へ 「あそぼう会」であそぼうかい
□1□ とびきりステキな子どもたち
「ひゃーっ!どうしよう、どうしよう」
□2□ 〝原っぱ〟でいっぱい友だちができた
〝原っぱ〟はワイガヤモシャゴシャカンタカビュン
「がっこうでもやきうやてんの」
黒い筆がベターッ、ペタッ、ペチャと踊った
けんちゃんはしっかり綱をにぎって、ヒューンって風を切ってすべった
□3□ 『みちことオーサ』のメッチャ楽しい上映運動
〝ねえ、いっしょにあそぼ!〟なんてビラを配ったりしたけど………
自分を語らなければおさまらない
「べつに結婚しなくたって、子どもは産めるよ」
上映運動はルンルン気分
第5章 いろんな人と出会える〝場〟があれば………… 新聞投稿「身体障害児の乱暴」の波紋
「静かにするのよ」と毎日いって通学するよりしかたがないのです
私ひとりで買物に行ったとき、「友裕くんは?」って聞いてくれる関係に………
人から人へのつながりのなかで
「どうして電車のなかでみんな黙っているんだい?」
「だめよ。そんなことしたら、赤ちゃん、痛いでしょ」
教師たちの反応はサッパリ
お母さんたちの話きいて、心がたがやされてるみたいだった
第6章 〝働くところ〟が〝生きる場〟に 「あおぞら市」に「うどんや」開店
●口絵3● カントト、チントト、カンカン、ジャーン──街かどのパフォーマンス
居場所づくりの夢が広がって
「あおぞら市」に「うどんや」開店
街のなかにホッとする空間ができて
〝働くところ〟がそのまま〝生きる場〟に
お店の人たちの表情がとてもなごんで
机ひとつだけの「うどんや」ではあったけれど………
あとがき
その後のこと
著者紹介

[出版社からのコメント]
現在の私たちは、社会であれ企業であれ、一定の価値観を受容することで生きているといえますが、社会が大きく変わろうとしている今、そうした価値観についてあらためて考え直す時期に来ているのかも知れません。障がいのある人たちという見方ではなく、様々な個性を持った人間同士という見方ができるとき、そこにはどの様な世界が広がるのか、ぜひ本書を通じて多くの方に感じていただければ嬉しく思います。

【著者紹介】
高崎 明………たかさき・あきら

一九四九年、兵庫県に生まれる。
同志社大学(電子工学科)を卒業し、電気会社で働いたあと、マッキンリーに登るために退社。
その後、山小屋に居候をしたり、設計事務所で働いたりしたが、林竹二さんの影響を受け、発作的に教師を志す。
一九七八年、教員の採用試験にパスしたが、冬山で滑落事故をおこし、すべてパーになる。
一九八〇年より横浜の養護学校に勤務。
「あそぼう会」のオモテにもでる裏方。

二〇一〇年就労支援施設「ぷかぷか」を立ち上げ、現在に至る。

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