ぼくたち、半分日本人
(著) 中繁彦
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七年前に中国人の母と離れ、父の祖国の日本に来た「大地」と妹の「波奈」
それぞれ兄妹は中国残留孤児として中学校と小学校に通っていたが、半分中国人であるという自身の考えと、クラスメイトとの接し方に葛藤していた。また、木偶ばかり彫り、日本語を覚えようとしない父親と日本に移住しようとしない母親の気持ちが分からない兄妹。
しかし、そこには幼い頃満州に連れてこられた父親と、中国にいた幼い母親の戦争という悲惨な状況の中で起きた耳をふさぎたくなるような悲しい過去と、両親の出会いがあった。
なぜ父親は木偶を作るのか、そしてなぜ母親は家族のいる日本に来れないのか・・・ 中国残留孤児として生きる兄妹の奮闘と成長、そして家族の絆の物語がここにあります。
ここで問題です。
父親が中国にいる母親に聞かせてあげようとハーモニカで練習していた曲はなんでしょうか?
① 北国の春
② 季節の中で
③ 夢想花
※答えは 「10 口からのぞくブタの顔」の文中にあります。
[出版社からのコメント]
戦争がもたらす悲劇は、なにも戦場に行く兵士達だけではありません。残された家族、両親を失った子供など、戦争によって被害に合う方は関節てきにも大勢います。
本書も、戦後何十年も過ぎた後に分かる戦争による悲劇です。戦争が起こらなければ引き裂かれることもなかった家族、そして中国残留孤児となってしまった二人の兄弟、これは戦後50年も経った物語です。
本書を通じ、戦争による被害者は何十年経っても存在すること、悲しむ一番の犠牲者が子供であるということ、そして二度とこの悲惨な戦争をおこしてはならないということを感じて頂ければ幸いです。
[著者プロフィール]
中 繁彦(なか・しげひこ)
一九三二年、長野県に生まれる。長年、長野県下の小・中学校で教鞭をとる。
信州児童文学会会員。日本子どもの本研究会会員。
日本語文型教育研究会会員。現、講演活動。
作品に『赤石岳の鹿笛』『海をわたった村芝居』(ともに、ほるぷ出版)、『沈まぬ夕陽』(信濃毎日新聞社刊)、「神鳴山のカラス」(信濃毎日新聞夕刊連載)などがある。
画家紹介
北島 新平(きたじま・しんぺい)
一九二六年、福島県に生まれる。一九四四年、長野県に移り、七一年上京するまで県下の中学校で教鞭をとる。九三年、下伊那郡南信濃村に帰り活躍中。日本児童出版美術家連盟会員、日本民話の会会員。
おもな作品に、画文集『天龍河童』(郷土出版社)、絵本『てんりゅう』『かっぱのかげぼうし』(岩崎書店)『うすずみのさくら』(ほるぷ出版)さし絵『きょうまんさまの夜』(福音館書店)『春駒の歌』(偕成社)『まっ黒なおべんとう』(新日本出版社)などがある。
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