ジェロントロジー〈老年学〉 = gerontology : 詩集
(著) 中久喜輝夫
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―生と死の狭間にある、老いと混沌のポイエーシス―
いつもあったところに/モノがなくなった時のさびしさ/いつもいたヒトが/いなくなった時のかなしさ/いつの間にか/歳をとってしまったヒトの遣る瀬なさ/歳をとってしまったことも忘れて/生きるヒトの空しさ/私が/私でなくなった時のヒトとしてのかなしさ/それをかなしいと/思わなくなった時のヒトの空虚さ/ヒトとして生まれてしまった/気がふれるようなかなしさ/もう人間として生きることも死ぬことも/できなくなったホモ・サピエンスの不覚の涙(「ジェロントロジー」より)
生きること、老いること、不可避の相関関係にある現実を透徹した眼差しで見つめ続けた詩人の、老年学的詩作集。
[目次]
逝くヒト
誤 解
お正月
散 歩
鋏
アポトーシス(*)
ピストル
花冷え
セル・フォーン
腹八分
ゴールデン・ハンドカフ
テロメア(*)
ディジット(*)
母の思い出
ニラの葉では澱粉ができないという
少し前を行く二人
春 愁
バスの中の二人づれ
エントロピー(*)
ジェロントロジー(*)
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
文学は書き手にとっても読み手にとっても私的なものでしかあり得ないとしても、書き手の「私」と読み手の「私」が触れあって火花のような「何か」を散らすとき、そこには単なる私的経験を越えた深い文学体験が姿を現します。生と死、老いという重いテーマを掲げる本書の詩は、そんな体験ができる言葉で充ちています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
中久喜 輝夫(なかくき てるお)
1946年 茨城県生まれ
学 歴 1972年 東京大学農学部農芸化学科卒
生物化学研究室(初代教授;鈴木梅太郎)
農学博士
詩 歴 ・現在:静岡県詩人会会長、 静岡県文学連盟会員、
日本詩人クラブ会員、 日本現代詩歌文学館振興会評議員
静岡大学イノベーション社会連携推進機構客員教授
・詩誌「鹿」主宰
・「文芸三島」・「文芸やいづ」・「静岡市民文芸」詩部門審査委員
・詩集:「チンパンジーの森」(土曜美術社出版販売、1993年)
「ジェロントロジー」(砂子屋書房、2013年)
「ヒトとモノのはざまで」(土曜美術社出版販売、2018年)
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