メディアと自己語りの社会学 ―「自己メディアの社会学」改題・改訂版―

(著) 加藤晴明

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[商品について]
――社会学者の中野収と平野秀秋は、1975年の著書の中で「情報によって自分を取り囲む」新しい若者像を何と呼んだでしょうか。
1.デジタル人間、2.カプセル人間、3.入れ子人間
正解は、本書「第4章 ケータイ・スマホという自己メディア」をご覧ください。
社会学がメディア研究に一石を投じるとすれば、その重要なひとつは、自己論とメディア論とをクロスさせる研究なのではないか――。インターネットとSNSの世界で生成される饒舌なメディア語りと自己表出。本書は、この景観を前にして〈メディアとは自己を仮託する文化装置である〉という命題を掲げ、自己という視点でメディア媒介コミュニケーションの再解釈を試みる。ケータイからヴァーチャル空間まで、デジタル時代のフレームワークを鋭く見据えた新たな時代の社会学。

[目次]
まえがき
序章 メディアとは自己を仮託する文化装置 ~自己メディア論のための態度選択~
はじめに
1.思考の出発点
メディア行為者の誕生
二世界フレーム
メディア経験の歴史①:道具から遊戯へ
メディア経験の歴史②:メディアと自己との結婚
メディア経験の歴史③:ポストモダンとリアリティの構築
新しい問題提起:メディアと救済
2.いくつかの態度選択
コミュニケーション物語への懐疑
正義の物語への懐疑
主題は何か?:一人称メディアへの着目
一人称メディア①:自分メディア
一人称メディア②:自己メディア
第1章 情報力革命と自己メディア ~マスメディアから自己メディアへ~
1.マスメディア批判の物語
個人への情報力の開放
マスメディアを超える戦略探し
ニューメディアに託された夢
①多チャンネル化と選択幅拡大への期待
②カルチュラル・スタディーズ:批判的オーディエンスへの期待
③市民メディアへの期待
④地域メディアへの期待
2.マスメディア論から自己メディア論へ
パーソナルメディアと自己メディア
自己メディアのDNA①:メディア事業者となる快感
自己メディアのDNA②:メディアに登場する快感
表現革命と自己の救済
第2章 メディア・近代・自己 ~自己メディアの源流とその転換~
はじめに:メディアを媒介して視る・視られる歴史
1.自己を造形させるメディアとリアル
近代のまなざしの誕生
メディアとしてのカメラオブスキュラ
メディアとしての窓・めがね・鏡・部屋
古典的リアリティ観の限界
新しいリアリティ観の誕生
写真による被フレーム化
2.自己の被フレーム化と情報的現実論の誕生
マスメディアの力
擬似イベントとグラフィック革命
テレビ時代とは
送り手の影響力vs受け手の力
3.ふたたび自己メディア論へ
メディアに登場する悦楽
噴出する欲望の源
第3章 個人メディアとしての電話 ~「二世界」の源流~
1.前史としての電信
テレコミュニケーションへの夢
オンラインから始まる親密性
2.電話=遠隔魔術のはじまり
社会的想像力としての電話
魔術としての電話
3.声としゃべりのメディアの特性
親密性と距離のパラドックス
声のリアリティ
リアリティのゆらぎ
顔という牢獄からの解放
4.メディアによる出会いと救済願望
「電話風俗」というマッチング装置
制度からの解放願望
5.メディアから始まる「救済」
都市型社会とリアリティ
メディア行為の3元図式
(1)伝達メディアとしての電話
(2)遊びメディア・おしゃべりメディアとしての電話
中野収の自己表出への着目
意味作用のコミュニケーションと表出のコミュニケーション
おしゃべり論
遊戯的コミュニケーションの地平
(3)救いメディアとしての電話
第4章 ケータイ・スマホという自己メディア
5つの理論フレーム
ケータイの進化と深化
携帯する統合メディアへ
携帯電話への統合的視点
日本人とケータイ
場所からの解放とマナー問題
「選択的な接合人間」像
2000年代の研究の展開
自閉とパブリック、解放と拘束
問いとしての自己都合
既存縁と新縁
限りなく解放される自己
第5章 メディア・自己・救済
1.ネット空間への理論フレーム
基本的な理論フレーム
情報縁とリアルをめぐって
ヴァーチャル空間と「解放」
〈メディアヴァージョンの自己〉の構築
自己の情報化
自己語りと私化現象
自己にとって他者とは何か
自己物語論とパラドックス
日記・自分史をめぐる理論フレーム
「いのちの電話」の理論フレーム
「救済」と「再生」のパラダイム
2.ネット恋愛物語にみる「救済」と「再生」
メール交換による恋愛物語
映画『(ハル)』
『WITH LOVE』
『チャット恋愛学』の洞察
ネットのなかでの応援とまなざし
第6章 ネット言説の系譜再考
1.ネット社会の位置を考える
ネット社会への段階的展開
パソコン通信の画期性
2.ネット論と秩序問題
黎明期のおおらな言説
社会実在論争と秩序問題
3.2つのネット言説
非コンテクストと匿名性
コミュニティ・関係性重視論
ネットワーキング・イデオロギー
電子デモクラシーへの期待
4.固有のリアリティ論とリアルコミュニティ論
「別」世界としてのネット
より日常に近いつながり
5.つながりと集合行動の時代
アーキテクチャ論
フラッシュモブ論
6.まとめ
終章 自己の解放と救済としての インターネット
ネットへの欲望
ネット論は「解放の物語」だった
〈自己の内的拡張〉と〈身体的自己からの解放〉
自己の再生と救済
あとがき
電子出版によせて
オリジナル用語集
著者略歴

[担当からのコメント]
携帯電話が登場して以来、個人的な人間関係から仕事に至るまで私たちの生活は大きく変化しましたが、リモートワークが新たなコミュニケーションを生みだすようになって、また新たな変化が訪れようとしています。これからのコミュニケーションのあり方はどうなっていくのか、それを知る手がかりとして本書を多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
加藤 晴明(かとう・はるひろ)
 
1952年 新潟に生まれる
1986年 法政大学大学院社会学専攻博士後期課程修了
現在 中京大学現代社会学部教授
専門:メディア社会学

【おもな著書】
 『社会情報学のデザイン』(共著)福村出版、1988年
 『〈情報〉の社会学』(共著)福村出版、1994年
 『メディア文化の社会学』福村出版、2001年
 『私の愛した地球博』(共著)リベルタ出版、2006年
 『自己メディアの社会学』リベルタ出版、2012年
 『奄美文化の近現代史』(共著)南方新社、2017年

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