古事記の秘密 秘められた謎にみる歴史の真実【改訂版】
(著) 田島恒
Amazon作品詳細
[商品について]
―古事記が「成立」したのは、次のどの天皇の時だったか?
1.元明天皇 2.天武天皇 3.天智天皇
正解は、本書「第一章 古事記を読むに当たって」をご覧ください。
日本最古の歴史書である古事記。これまでに比較民俗学的な研究や、考古学的研究は多く行われてきた。しかし、と筆者は言う。古事記の説話が秘める多くの謎の解釈は、十分に行われてきてこなかったのではないか——。「イザナミ・イザナギ」の名前の由来と鯨の関係、アマテラス大御神と当時の政治情勢との密接なつながり、神武天皇はなぜ大和を目指したのか・・・。古事記に隠された謎を、選者の立場や思考に入り込んで読み解く。
[目次]
まえがき
第一章 古事記を読むに当たって
(一)古事記の成立事情
(二)古事記を読む前提
(三)古事記撰録当時の社会情勢
第二章 神代の話
第一節 イザナギ、イザナミの話(国生み神話)
(一)イザナギ命、イザナミ命の誕生
(二)イザナミ命、イザナミ命の正体
(三)イザナギ命、イザナミ命の国生みの真相
(四)イザナギ、イザナミの成り立ち
第二節 アマテラスの話(高天原神話)
(一) アマテラス大御神の誕生
(二)天の岩戸事件
第三節 黄泉国のイザナギ命・イザナミ命
(一)イザナギ命とイザナミ命の対立
(二) アマテラス大御神とスサノヲ命の対立
第四節 オホクニヌシの話(出雲神話)
(一)スサノヲ命とヤマタノヲロチ
(二) オホクニヌシの受難
(三) ヤチホコ神の恋
(四) 奇妙な神スクナビコナ
(五)葦原中国の平定
第五節 天孫降臨
(一)ニニギ命の降臨
(二) サルダビコ神とサルメ君
(三) 山幸彦 海幸彦
第三章 天皇の代の話
第一節 神武天皇の東征
第二節 崇神天皇とタケハニヤスの謀反
第三節 垂仁天皇と口のきけない皇子
第四節 景行天皇と悲劇の英雄ヤマトタケル命
第五節 仲哀天皇と神功皇后の朝鮮出兵
第六節 応神天皇とオホヤマモリの謀反
第七節 仁徳天皇と皇后イワノヒメの嫉妬
第八節 履中天皇とスミノエナカツ王の謀反
第九節 安康天皇とカル太子の悲恋
第十節 雄略天皇と少女と神仙
第十一節 顕宗天皇と仁賢天皇
結章 古事記の秘密と太安万侶の思い
[出版社からのコメント]
古事記には文学的な側面が多分に含まれています。であればこそ、事実関係を追う文献学的研究だけにとどまらず、文学研究のように多様な解釈の余地が残されているのではないか。古事記を教養として覚えようとしたが挫折してしまった人も、本書ならばミステリーを読むように古事記の様々な説話に親しむことができるはずです。
[著者プロフィール]
田島 恒(たしま・ひさし)
昭和14年広島市生まれ。
昭和37年、広島大学工学部卒業。
新刊情報