国立大学・権力構造の謎解き──教授会の現状から、日本的システムの問題が見える

(著) 杉崎隆晴

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作品詳細

[商品について]
―「情」だけでは、国際社会を生き抜けない―
H国立大学にて、定年を迎えた教授の退官に伴い、ある助教授の教授昇任の発議が提出された。しかし、人事を左右する教授会の内情を覗くと、そこにはまるで現代の日本社会を象徴するようなさまざまなシステムの課題が潜んでいるのであった。ーー年齢や業績といった論理的な根拠ではなく、その時々の感情的な理由によって下されてしまう人事に未来はあるのか…。当時、実際に人事に絡む教授会の不透明な議事運営を目の当たりにした著者が、奇想天外の事件を縦糸に、それを読み解く鍵としての日本文化論を横糸に大学、そして日本社会の問題点を解き明かす。

[目次]
電子版への序
はじめに
第一章  プロローグ
第二章 年功序列を基本とした不透明な人事運営の数々
第三章 これらの人事で明らかになった問題
第四章 私の教授昇任発議における教員選考規則無視事件
第五章 全学部教官への警告文配布後の推移
第六章 人格識見を理由とした教授昇任拒否事件
第七章 問題は何か(一) 特権社会大学の無責任
第八章 問題は何か(二) 特権列島日本の無責任
第九章 問題は越えられるか:日本文化の問題
第十章 エピローグ
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
本書で綴られている、とある大学での人事をめぐるエピソードは主に昭和から平成にかけての時代に起きたものですが、その内情やそれを取り巻く日本社会の様相は令和の現在でも大きくは変わっておらず、それだけに根深い問題なのだと思われます。教授会の実情を知りたい方、また日本の民主主義を今一度考えたい方に、ぜひお読みいただきたい1冊です。

[著者略歴]
杉崎隆晴

 1948年 東京生まれ。
 東京大学教育学部体育学健康教育学科卒業。
 同大学院教育学研究科博士課程中退。
 同大助手、H大学講師・助教授を経て、本年4月より教授。
 専門は運動心理学・スポーツ心理学だが、本人の意識している専攻は現象学をベースとした雑学。

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