夢のゆくえ【電子書籍版】

(著) 磯貝治良

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作品詳細

[商品について]
―いまに続く戦後という轍―
太平洋の内海につきでた半島の半島ののど首に位置するあたりにあるK町。田んぼのむこうを走りすぎる汽車にむかって手をふりつづけ、踊りながら「あんちゃんぽっぽ」と呼びつづける少年や、あぁぼぉちゃんと呼ばれ町をめぐり子どもたちの集まりそうな場所をえらんでは紙芝居を見せた紙芝居や、有名な小説家になると言いながら屋根裏部屋で創作に励んでいた氷やのけいちゃんなど、そこで出会った人々を、敗戦後を生きる日々の中に追憶した「夢のゆくえ」をはじめ、現実をモチーフとした虚構の中に「戦後史」ともいうべき生の軌跡を辿る6篇の小説を収めた作品集。

[目次]
テハギは旅人(ナグネ)のまま――
弾(たま)のゆくえ
夢のゆくえ
あんちゃんぽっぽ
紙芝居のゆくえ
骨のなかみ
赤い渦


ねずみの火
素っぱだかのランナー
諸君先生
なにが因果か
あごやん先生の復讐
白い異郷
夢のゆくえ
きちげあそび
最後の電話
流民伝
あとがき
初出一覧
著者略歴

[出版社からのコメント]
小説が現実を模倣するとき、個人的な体験である現実が虚構というフィルターを通して、その物語は読者と共に現実にはなしえない普遍性を獲得するのかもしれません。本書の中の6つの現実と虚構が生みだす普遍性を、多くの方に味読していただければ嬉しく思います。

【著者略歴】

磯貝治良(いそがい・じろう)

1937年 愛知県・知多半島に生まれる。
1960年 愛知大学法経学部卒業。
1979年 『始源の光――在日朝鮮人文学論』(創樹社)
1992年 『戦後日本文学のなかの朝鮮韓国』(大和書房)
1977年 「在日朝鮮人作家を読む会」を主宰、文芸誌『架橋』を編集・発行し、現在にいたる。
朝鮮韓国にかかわる評論・ルポ、および小説を精力的に書くかたわら、マダン劇グループ「マダンノリペ緑豆(ノクトゥ)」などの活動をしている。

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