子どもたちに伝えたいふるさとのよもやま話108話――日常の中にある豊かさと農の風景
(著) 大塚基氏
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――子どもたちがさわ蟹と共に夢中になって遊んだ「えび蟹」とは、以下のどれでしょうか。
1.カブトエビ、2.アメリカザリガニ、3.ヤドカリ
捕まえたえび蟹は家に持ち帰って鶏にあげていたそうです。正解は、本書第1章「17 さわ蟹とえび蟹」をご覧ください。
夢中になって遊んだ竹馬やぶっつけ(面子)、べーごま、昆虫採集や魚とり。忘れられない砂糖団子やおなめの味。牛やヤギ、お蚕様の世話をし、家族総出で田なぐさとりや稲刈りをする日々――。本書は、そんな昭和20~30年代に子どもたちが経験した、農を中心にした農家や集落の営み、懐かしい遊びなどを、『よもやま話』として108話ばかり積み重ねてまとめた作品である。今では忘れられてしまった家族や親戚、近所との付き合い、各家庭で行われていた行事など、古きよき農村の生活を知り、現代の生活のあり方を考えるうえで示唆に富む内容となっている。
[目次]
はじめに
寄稿 夕餉のおもいで
寄稿 私の想い出
第1章 遊び・狩り・動物
1 ぶっちゅめ(ぶっちめ)
2 昆虫採集
3 消防小屋の蛾
4 さかなとり
5 からねこ
6 じんとり
7 けだし
8 竹馬
9 どこらふきん
10 ガシャガシャとり
11 めじろとり
12 子供の夜遊び
13 ほたる
14 水あび
15 道草
16 丸木橋
17 さわ蟹とえび蟹
18 つばめ
19 ガラス筌(うけ)
20 化石とり
21 ぶっつけとべーごま
第2章 食べ物
22 うどんつくり
23 さとうだんご
24 おなめ
25 お土産のようかん
26 焼き餅
第3章 農業・手伝い・世話
27 はなどりとしんどり
28 うさぎの世話
29 ヤギの世話
30 朝草刈り
31 薪づくり
32 お蚕様(かいこさま)
33 しょいたとやりん棒
34 こどもの使い
35 たなぐさとり
36 稲刈り
37 麦まきと手入れ
38 にわとり
39 帰ってきた伝書鳩
40 雨ごい
41 はたおり
42 田植え・さなぶり
43 溝あげ
44 いっそう作り
45 さつまいもほり
46 野良弁当
47 桑の木の皮むき
48 大豆はたき
49 こんにゃく玉干し
50 石うす
51 わら加工
52 ちょっぺ傘とござ合羽
第4章 信心
53 天王様と旗持ち
54 四郎次さん
55 てんぐだんご
56 氏神様と井戸さらい
57 古里駒込墓地
58 八坂神社
59 飯島稲荷
60 おまいり
61 藤塚の阿弥陀如来様
62 花祭り(灌仏会(かんぶつえ))
第5章 地理・人物
63 たにあ
64 馬内
65 小便町
66 相生の松
67 ひーおばあさん
68 精進橋
第6章 生活・くらし
69 たなばた
70 お正月
71 やまし
72 夜まわり
73 我が家の母屋のこと
74 きのこ
75 アイスキャンデー屋さん
76 なっとう屋さん
77 盆やぐら
78 流れ人
79 粘土シャンプー
80 お風呂
81 風呂たき
82 蚊帳(かや)
83 ひるね
84 熊谷の花火
85 我家のねずみ
86 蚕屋の煙突と屋根裏
87 屋根の葺(ふ)き替え
88 井戸の水源探し
89 天気予報
90 むじなの嫁入り
91 おひな様
92 こたつとあんか
93 春蝉(松蝉)
94 野山の恵み
95 ガッチャンポンプ
96 洗たく
97 しろうと演芸会
98 外便所
99 木枯らし
100 お正月の準備
101 松の内の行事
102 小正月の準備
103 小正月の行事
104 恵比寿様
105 節分
106 お盆様
107 十五夜様と十三夜様
108 葬儀
特別寄稿
祖父の休暇日誌(夏休みの)
父の最期の記録
父の日記(昭和32年)
あとがき
発行にあたって
[出版社からのコメント]
家庭にテレビゲームが普及するまでは、子どもたちは自然の中のものを巧みに利用しながら身体一杯に遊び、また貴重な労働力として家の仕事をしながら、人間関係や社会との繋がりを自然に学んでいた様に思います。あの時代に戻ることはできませんが、古きよきものは受け継いで行く、そんな思いを感じていただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
大塚 基氏(おおつか・もとじ)
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