子どもの目で見た日本の学校:自伝から教育の実像を探る

(著) 深谷昌志

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[商品について]
―価値観が異なれば、学びの姿も変わる―
教育に関する研究は様々な分野で行われ、一定の成果をあげている。しかし一方で、幕藩体制下の教育から学制の発布、自由教育令、学校令と続くような日本の教育の歴史について、これまでの研究ではあくまで鳥瞰的に捉えているに過ぎず、必ずしも子どもが体験したものと同じとは言えないのではないかという疑念が残る。そこで本書では、国レベルの鳥瞰的な捉え方だけでなく、学習者の視点という立場から日本の教育の歴史を捉えなおすために、明治から現代に到るまでの間で、子ども時代の記憶が残されている自伝を活用して学習者の声を再現し、子どもの学びの状況を復元しようと試みる。社会の変革の波が教育にも押し寄せている現在、21世紀の教育について考察するうえで示唆に富む内容となっている。

[目次]
はじめに 「学習史(俯瞰)」を踏まえた「教育史(鳥瞰)」への転換を
第一章 黎明期に西欧型教育を学んだ子どもー西欧化を目指してテイクオフ
1、士族層の子の学び
2、富裕層の子の教育
3、明治初期に西欧に接した女性たち
第二章 西欧志向型の「学校」と土着の「寺子屋」―文明開化期の学び―
1、西欧志向型の「学校」の誕生
2、寺子屋風の塾で学ぶ
第三章 就学率95%状況の光と影―「学校へ行く」ことの意味
1、明治30年代でも寺子屋風の学校
2、中等教育へ進学する恵まれた子どもたち
3、実社会で働く子どもたち
第四章 学校教育の定着と進学の壁ー進学勉強に追われて。
1、6年間の小学校生活の定着
2、大正自由教育の中の学校
3、進学熱の高まりの中で
5章 学校に頼れない人生のもたらす影
1、女の子にとっての学校
2、技を身につけた女性の生き方を求めて
3、進学できなかった男の子の悲哀
第6章 学校へ行くのが当たり前になった子どもたちー子どもとしての時を持つ
1、群れ遊ぶ子どもの姿
2、学校に対する信頼感が増した
3、忍びよる戦争の影
第七章 敗戦と再生の中の子ども────荒波に翻弄される子ども
1、戦時下の子ども
2、敗戦後の混乱した社会を生きる子
3、「民主教育」の中の子ども
第8章 学校化された社会の中での成長
1、進学競争の中の子ども
2、学校(スクール)化した成長の関所・中学校
3、家庭から疎外される子ども
4、多様な子を受け入れる学校
まとめに代えて
① 日本の学校は20世紀の優等生
② 「受容」から「能動」への教育の視点のコペルニクス的転換を
③ 小学校では子ども主体の「生活(経験)単元」を根底に据える
④ アフタースクールの充実を
⑤ 発展途上国並みの文教行政からの脱皮を
付記 コロナの時代に

[出版社からのコメント]
教育に関しては様々な問題が取り上げられていますが、それらの問題を考える際に、近視眼的な思考ではなく、国の根幹にかかわる問題として長期的な視野に立った議論が現在の社会では求められているのかも知れません。本書を通じて、現在までの教育の歴史を多くの事例と共に概観し、学習者の視点でこれからの教育について考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
深谷昌志(ふかや・まさし)

東京成徳大学名誉教授。日本子ども支援学会会長。日本子ども社会学会名誉会員。東京教育大学大学院博士課程修了。教育学博士。放送大学教授や静岡大学教授、東京成徳大学子ども学部長などを歴任。教育社会学専攻。
主著に「子どもの生活史」(黎明書房2007年)、「大人になれない日本人」(リヨン社、2010年)、「日本の母親再考」(ハーベスト社、2014年)、「子どもと学校の考現学」(黎明書房、2017年)、「子ども問題の本棚から」(黎明書房、2018年)など多数。

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