悠久のポーヤン湖 : アジアの動物記

(著) 遠藤公男

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[商品について]
――現地の人が「パイジートゥン」と呼ぶ中国・長江に棲む生きものは、次のどれでしょうか。
1.七面鳥、2.淡水イルカ、3.小型のシカ
正解は本書「第三章 青い惑星の楽園」をご覧ください。
長江の南、中国・江西省の大平原にあり、太陽がきらめく湖という意味をもつポーヤン(鄱陽)湖。1983年12月、そのポーヤン湖で絶滅寸前と言われていたソデグロヅルが発見されたというニュースが世界をかけ巡った。国際ツル財団の調査によって1000羽以上もの個体が確認されたこの奇跡の湖は、国際ツル財団の中国政府への働きかけもあって自然保護区に指定された。奇跡の光景を見るためにポーヤン湖を訪れた著者は、そこで雄大な大陸の自然、日本と中国の歴史、そして密漁という現実と出会うことになる――。冷戦ただ中の中国を訪れ、様々な野鳥と、現地の村人との交流を深めた3度の旅を、写真と文で綴ったアジア動物紀行。

[目次]
第一章 中国の世界的な珍鳥
ソデグロヅル大群の発見
ポーヤン湖とは
国際ツル財団の探訪
渡り鳥保護区の誕生
日本野鳥の会のツアー
スズメがいない
第二章 初回の探訪
ドブネズミを売ってる!
絶品の野菜料理
侵略の跡
ガンの王様=サカツラガン
ノガン=空飛ぶ七面鳥
黒犬のご馳走
北国の春
第三章 青い惑星の楽園
霧につつまれて
青い湖にきらめく奇跡
薬草好きのソデグロヅル
日本の白鳥の湖を紹介
ゴミの焼却炉がない
キバノロの群れ
湖の惨!
湖に狩猟隊がいた!
第四章 愛鳥模範とは?
何緒広さん
東洋鬼が攻めてきた
国破れて山河あり
珍奇な水鳥を食べていた
省の保護動物
渡り鳥が草と魚を育てる
暗夜の銃声
第五章 勇気ある告発
目撃者
故郷に泥をぬるのか
手ぬるいことじゃだめ
世界史に残る乱獲
第六章 湖の小さな巨人
銃猟の禁止
冬の低気圧
狩猟隊長がいた
昔はもっと大きなツルがいた
ツルの味
猟を再開させてくれ
八〇〇羽のハクチョウを血祭りに
水鳥たちの地獄
阿鼻叫喚
第七章 花嫁は酒豪!
風土病
砂はガンの好物
婚礼の宴
花嫁は酒豪!
夫婦情愛深く
死神と希望
第八章 日本軍の記憶
父の面影を探して
母は二一歳で未亡人
果てしないぬかるみ
血を見るのが好き
泥沼にはまった
胡弓の音
国家にだまされて
逃亡した部隊長
恨みをはらすのに徳をもって
第九章 村人との交歓
学ちゃん
村の子どもたち
お客さんを招いて
周恩来副主席は語る
長江にダムを造る
長江の女神―絶滅の危機
ツルの観光地は夢か
巨大な経済大国に
保護と観光への展望
花嫁と再会
あとがき

[担当からのコメント]
本書ではソデグロヅルという鳥との出会いの旅が綴られていますが、日中戦争という痛ましい歴史の記憶や当時の中国の現実、自然の営みの中に生きる人間という動物についても描かれた作品になっています。野鳥や自然好きの方はもちろん、そうでない方にもお楽しみいただける内容になっています。

[著者プロフィール]
遠藤公男(えんどう・きみお)
1933年岩手県一関市生まれ。
小学校教師として主に山間部の分校に勤務。趣味の動物学で岩手においてコウモリの新種三、北海道で野ネズミの新種一、北上山地でイヌワシの巣を発見。日本野鳥の会名誉会員。2000年日本鳥類保護連盟総裁賞受賞。

著書に『原生林のコウモリ』(学習研究社)、『帰らぬオオワシ』(偕成社)日本児童文学者協会新人賞、『アリランの青い鳥』(講談社)、『ツグミたちの荒野』(講談社)日本児童文芸家協会賞、『韓国の虎はなぜ消えたか』(講談社)、『夏鳥たちの歌は、今』(三省堂)、『盛岡藩御狩り日記』(講談社)、『ヤンコフスキー家の人々』(講談社)『韓国の最後の豹』など多数。

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