昭和後期10人の首相 : 日経の政治記者が目撃した「派閥の時代」

(著) 山岸一平

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―魑魅魍魎もいたけれど、この時代の日本の政治は骨太だった―
旧制一高、東大法学部という経歴ながら秀才臭はなく気さくで陽気、ざっくばらんな性格だった岸信介。国民所得倍増計画を掲げ、日本の高度成長の先導役となった池田勇人。高小卒の学歴ながら首相の座に登りつめて「今太閤」と呼ばれ、就任3カ月で日中国交正常化を実現させた田中角栄。そして日本の税制の一大転機となった消費税の導入を実現させ、昭和から平成へという時代の変わり目と共に舞台を去った竹下登。ーー日本経済新聞編集局に入り、駆け出し政治部記者として〝岸番〟から始まった30年の記者生活は、日本が驚異的な経済成長を成し遂げ、自民党の一党支配を盤石なものとした派閥全盛時代とも重なる。昭和後期の個性豊かな10人の首相たちを取り上げ、当時の社会情勢や派閥力学の視点も交えながら綴った官邸から見た昭和政治史。

[目次]
まえがき
第1部 昭和後期 10人の首相
第1章 岸信介 新安保条約とともに退陣
60年安保騒動と警官の国会導入
東大女子学生の死と米大統領の訪日延期
退陣の日に刺された岸首相
権謀術策の自民党総裁選挙
第2章 池田勇人 高度成長への先導役
内閣記者会除名と大平官房長官との出会い
目前で刺殺された浅沼社会党委員長
所得倍増計画
外務省霞クラブと戦後処理外交
ガリオア・エロア返還問題
内政記者クラブと河野建設相
東京オリンピックと池田首相の退陣
池田番の思い出
第3章 佐藤栄作 史上最長不倒の政権
池田書簡で佐藤内閣成立
政敵の相次ぐ死
ILOと日韓で国会紛糾
ユニークな2人の副議長
労農記者会
非議員の入閣実現せず〝黒い霧〟解散
革新都知事の誕生と日本首相初の訪韓
ASPAC取材と酒井記者の殉職
佐藤3選と前尾氏屈辱の95票
木村俊夫氏の降格人事で内閣強化
明治100年で世界第2位の経済大国に
東大の入試中止と大学立法
沖縄返還と非核三原則
衆院総選挙勝ち過ぎで〝自眠党〟化を心配
大阪万博、よど号ハイジャック、三島由紀夫割腹事件
国連25周年記念総会
〝縄を糸で買った〟日米繊維交渉
佐藤4選と宏池会の内紛
閣僚の相次ぐ辞任、〝とかげの尻尾切り〟
沖縄密約と西山記者逮捕事件
ニクソン・ドルショック、スミソニアン合意へ
有終の美を飾れなかった佐藤首相、無人の退任あいさつ
第4章 田中角栄 日中国交回復も竜頭蛇尾に
佐藤派の分裂、田中派結成へ
中曾根不出馬、田中支持で大勢固まる
田中角栄ブーム、〝今太閤〟
日中正常化への準備行動
タカ派説得
竹入メモと椎名訪台
ハワイで開いた日米首脳会談
北京秋天
「だから大学出はダメだ」
「もうケンカは済みましたか」、田中・毛沢東会談
国交正常化成る、上海を経て帰国
その後の田中氏と中国
日本列島改造論
オイルショックと狂乱物価
参院選敗北、数字7の凶縁
金脈問題で田中首相退陣
第5章 三木武夫「青天の霹靂」とロッキード事件
〝三角大福〟時代の幕開け
椎名裁定で三木内閣成立
賛否同数で成立した政治資金規正法改正
赤字国債発行と独禁法改正の挫折
無為の勝利、スト権スト
ロッキード事件の発覚
田中前首相逮捕とにせ電話事件
挙党協による三木おろし工作の攻防
〝ルーレット三役〟と防衛費GNP1%以内
任期満了選挙と自民党敗北、三木退陣
半年間、徹夜して書き上げた初著書
第6章 福田赳夫 経済に振り回された経済通
1票差で福田政権誕生
「経済の福田」に物価、景気、財政のトリレンマ
修正された政府案と15ヵ月予算
「命か法か」、日航機ダッカ・ハイジャック事件
成田空港開港と日中平和友好条約の調印
〝大福密約〟説
総裁予備選は第2次〝角福戦争〟
「天の声も変な声」、福田首相退陣
第7章 大平正芳 衆参同日選挙中の壮烈な〝戦死〟
難航する大平政権づくり
予算案、委員会で否決、本会議で逆転可決
幻の名古屋オリンピック
第2次オイルショックと東京サミット
一般消費税言及で総選挙敗北
泥沼の〝四十日抗争〟
つかのまの外遊、「革命とは国民の月給を上げること」
大平首相の死で自民、衆参ダブル選挙に大勝利
〝角福の怨念〟に翻弄された大平政権
第8章 鈴木善幸 一銭も使わずに総理になった男
鈴木政権の誕生と〝三角大福怨念政治〟の終焉
増税なき財政再建、85年度までに赤字国債ゼロに
土光臨調で行政改革
日米同盟は軍事的意味を含むか?
財政非常事態宣言
予期せぬ、あざやかな退陣
第9章 中曾根康弘「戦後政治の総決算」
ロッキードつぶし? の〝田中曾根〟内閣
田中元首相に実刑判決、総選挙で自民敗北
市場開放へのアクション・プログラムとプラザ合意
中曾根再選、「角抜き」で流行語大賞
国鉄、電々、専売3公社の民営化成る
衆参両院同日選挙で自民大勝
総裁任期1年延長、売上税の挫折
内需拡大路線への転換と任期満了退陣
第10章 竹下登 昭和時代最後の宰相
中曾根裁定で竹下内閣誕生
ついに実現した消費税
ふるさと創生、1億円の〝ばらまき〟と牛肉、オレンジの自由化
リクルート事件
昭和から平成へ、竹下内閣退陣
第2部 政治家寸描
第11章 平成の首相 宇野宗佑から小泉純一郎まで
器用貧乏で69日政権、宇野宗佑
早大雄弁会政権、海部俊樹
自民一党支配の幕を下ろした秀才首相、宮沢喜一
非自民の殿様宰相、細川護熙
少数与党内閣の首相になった普通の人、羽田孜
無理やり首相に、村山富市
国会初登院に母親が付き添った、橋本龍太郎
〝ビルの谷間のラーメン屋〟、小渕恵三
密室で誕生したピンチヒッター首相、森喜朗
自民党を〝ぶっ壊して〟首相になった、小泉純一郎
第12章 昭和・平成の実力者 記憶に残る15人
「みんな身内か?」、大野伴睦
「五十の悪と百の善」、河野一郎
「政界の一寸先は闇」、川島正次郎
三木政権を生んで殺した、椎名悦三郎
こぶの蔵相、水田三喜男
蔵書3万冊の名議長、前尾繁三郎
〝クロネコ〟に乗った、田中六助
〝ボロみこし〟を担いだ、金丸信
幻の実弟と会えた、安倍晋太郎
総理大臣を断った、伊東正義
落選中も実力者、保利茂
7票差の大逆転で石橋内閣を作った、石田博英
遅すぎた政界入り、後藤田正晴
絹のハンカチを雑巾にした、藤山愛一郎
〝北海のヒグマ〟謎の自殺、中川一郎
年 表
主な参考文献
著者略歴

[担当からのコメント]
政治が小さくなったと言われることがありますが、本書を見ていると確かに今の政治からはダイナミックさが失われているように思います。選挙ではなく国民を見て政治をするような政治家をいかに育てるか、そんなことを考えさせられる一書です。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
山岸一平(やまぎし・いっぺい)

1937(昭和12)年、埼玉県北川辺町(加須市)に生まれる。
栃木高校を経て60年、中央大学法学部法律学科卒業、日本経済新聞社に入社。
23年間政治記者、政治部長、取締役西部支社代表、常務人事局長、同大阪本社代表、専務取締役を経て98年(平成10)退社、日経メディアマーケティング社長。
現在、日経メディアマーケティング顧問、日本経済新聞社客員、公安審査委員会委員(07年12月まで)。
著書に『死なば死ね、殺さば殺せ――田中正造のもう一つの闘い』(講談社)、『去華就実――聞き書き大平正芳』(共著、大平正芳記念財団)。

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