昭和最後の頃の香港駐在旅情:俳句・写真集

(著) 川井田悠耕

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作品詳細

[商品について]

―妖しい魅力をはなっていたかつての香港の残照が、ここにはある―

霞立つ海にジャンクの現れて

クーラーのいつもきき過ぎ飲茶(ヤムチャ)かな

アヘン窟と呼ばれし街に蝶々舞ふ

馬券買ふ比島娘の着ぶくれて

前著『奄美駐在旅情』で奄美赴任の記録を収めた著者が、今度は香港に赴任した日々の思い出を俳句とエッセイ、写真でつづったシリーズ第2弾。



[目次]

まえがき

駐在のアルバム

1.日系企業の進出とパーティー

2.日本からのミッション

3.香港との国際交流

4.県人会結成

5.日本からのご視察(1)

6.日本からのご視察(2)

7.日本からのご視察(3)

8.中華料理

9.ホームパーティ

10.金融センターの交流

11.新たなる交流(1)

12.新たなる交流(2)

13.日本人学校

14.ドラゴンボート国際大会

15.イルミネーション

16.香港的風景(1)

17.香港的風景(2)

18.香港的風景(3)

19.香港的風景(4)

20.香港的風景(5)

21.香港的風景(6)

22.香港的風景(7)

旅の一句 香港編

春光に新総督を迎へけり

霞立つ海にジャンクの現れて

この夜店去らんとすれば値の下がり

蛇料理箸恐々(おずおず)と出しにけり

クーラーのいつもきき過ぎ飲茶かな

幼帝の入水の海や日雷(ひがみなり)

浸水のなほ漕ぎ続く競渡(けいと)かな

春装の青山雨に潤みをり

昼大砲響く海峡燕舞ふ

抗日の文字や清明節の旗

菊の花供へからゆきさんの墓

フェリー着く港の饅頭祭かな

アヘン窟と呼ばれし街に蝶々舞ふ

激戦の石碑を囲む蝉時雨

茘枝(らいち)買ふ楊貴妃の故事よみがへり

うづ高き月餅たちまち買はれゆく

開所式窓外時雨島津雨(かいしょしきそうがいしぐれしまづあめ)

米艦の電飾冬の海に揺れ

縛られし上海蟹のあぶくかな

ビルといふビルは聖夜の光る海

借りた土地借りた時間の初日かな

半旗揚ぐ領事官邸時雨れけり

春聯(しゅんれん)の飾りの街にあふれをり

高官の離任の儀式赤マント

馬券買ふ比島娘の着ぶくれて

片袖のなき物乞の春寒し

客家(ハッカ)帽の老婆銭乞ふ秋深し

春うらら路上のミサにアマ集ふ

宋城の扇の舞の華やぎて

夕立や屋根なしバスの悲鳴かな

風涼しピーク・トラムの着くところ

焼け残る天主堂門冬日射す

時雨るるや物売りの子の幼な顔

博打場の喧騒外の春時雨

硝子戸の奥の髑髏(どくろ)の寒さかな

支那海を濁す珠江の春の泥

街角に裸の華人古物売る

この国も受験子ひざまずき祈る

年賀式領事官邸御紋章

植民地コロニーの海に虹立ち帰国かな

香港の空にも舞ひて赤とんぼ

フェリーにも新年の詞書かれをり

蒸し暑さ逃げて電車の二階席

時計台の駅の霧や終着の駅は倫敦

春まだき蛋民船の浮かぶ海

台風をついて飛行機着きにけり

干し物を突き出すビルの梅雨晴れ間

数字で見る香港(一九八六〜一九九〇)

あとがき

著者略歴



[担当からのコメント]

かつて中国の中でも異質といえるほど濃厚な都市の陰影をもっていた香港の、アジアらしい湿り気を感じさせる、そんな空気感を味わえる本書。たとえ空想の中でもアジアらしい旅を感じたいという方にもお薦めの一冊です。



[著者略歴]

川井田悠耕(かわいだ・ゆうこう)



昭和22年1月 志布志市出身



出版等:銀行大衆化のための戦略(S52.自費出版)

    新聞連載『旅の一句」 (南日本新聞夕刊 H16.6.7~H18.5.25)

    フォト俳句エッセイ集「奄美駐在旅情」(22世紀アート)2019年

音楽関連作品(歌手 さつまびと)

作詞・作曲 定年(こくぶ)         全国カラオケ配信

      名君 島津斉彬         全国カラオケ配信

      西郷隆盛〜あぁ幕末の薩摩武士〜 全国カラオケ配信

      薩長同盟            全国カラオケ配信

      おはら恋唄           全国カラオケ配信

      志布志港町恋唄〜お釈迦祭り〜  全国カラオケ配信

      種子島銃恋唄〜鉄砲伝来悲話〜(共詞 曽木国智)

作 曲 初恋(島崎藤村)

    汚れっちまった悲しみに…(中原中也)全国カラオケ配信

作 詞 青いあさがお(作曲博多宮己)

ウェブ YouTube さつまびと(検索) 動画 配信中

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