歌集 大寺の裏
(著) 安孫子十字
Amazon作品詳細
「木漏れ日に浮かび出でたる蔭の庭静かに午後の時が流るる」(本文より)
意欲的に作品を発表し続けている著者の、十年間書き溜めた歌を一冊にまとめた秀抜な歌集。
本書では、季節ごとに様々な表情を見せる国内の名所を、著者独自の視点から丁寧に歌い上げている。加えて「焦土東京」と「戦後雑感」で戦後日本に漂っていた空気感やにおいまでをも表現した著者の技量には圧巻の一言。
インターネットやSNSの普及により、軽く瞬発的な言葉が氾濫する今日において、日本語の美しさを再認識させてくれる貴重な一冊。
【目次】
春(春立つ園/高野山/駒が岳千畳敷/函館/洞爺湖)
夏(緑の蜘蛛/北潟/紀伊大島/木曽路/若狭路)
秋(空蟬/田原坂/飛驔小坂/佐多岬/但馬路/会津/大宰府/阿蘇/下呂)
冬(手袋)
雑(誤解/木喰の聖の里/一畑薬師/平戸島/修善寺/五箇山/赤穂)
焦土東京
戦後雑感
【著者プロフィール】
安孫子 十字(あびこ・じゅうじ)
■著作
『童子の像:歌集』(22世紀アート)
『木の葉雨:新編句集』(22世紀アート)
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