神の友となる【電子書籍版】

(著) 岩井清

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作品詳細

「神の友」と呼ばれる人というと、真っ先に思い出すのはアブラハムのことです(Ⅱ歴代20・7、イザヤ41・8、ヤコブ2・23)。ソドムとゴモラが滅ぼされる前、主は、そのさばきについて、アブラハムにその「心の内」を打ち明けておられるのです。
「わたしがしようとしていることを、アブラハムに隠しておくべきだろうか」と記されているとおりです(創世18・17)。
かけがえのないひとり子イサクを全焼のいけにえとしてささげなさいという、一見むごいとしか考えられないご命令にしても、「そのひとり子をお与えになったほど」のご愛を分かち合う友を望んでおられたと考えることができるのではないでしょうか(創世22・2、ヨハネ3・16)。
そもそも人類を創造されたとき、神は「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて」(創世1・26)と言われたのですが、他の被造物とは異なり、御思いを分かち合い、喜びや悲しみ、慰めや痛みを共に担う友の創造を望まれたのではないでしょうか。本当は、人はみな「神の友」となるように造られたのです。
本書では、旧新約聖書の中で、「神の友」とされた人々を順を追って取り上げようと試みました。必ずしも理想的で完全な人ばかりとは言えません。むしろ、弱く、欠点の多い「私たちと同じ人間」の群像です。
しかし神は、喜んでひとりひとりの友となってくださいました。そして、そのみこころを彼らと分かち合ってくださったばかりでなく、ご自身のかたちに似た者となるよう、ひとりひとりを引き上げようとなさったのです。(本文より)

【著者プロフィール】
岩井 清(いわい・きよし)
1933年、東京生まれ。京都大学、東京神学塾を経て聖書神学舎を卒業。現在、平塚福音キリスト教会顧問牧師、元活水聖書学院学院長。著書に『はじめて祈る人に』『祈りの生活』『「古時計」の新しい授業 キリスト教』等がある。

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