童子の像: 歌集
(著) 安孫子十字
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ー本文からの引用ー
この歌集は、以前短歌同人誌「淵」に発表したものが、中心になっております。
ところで、歌集にせよ句集にせよ、それぞれ一首一句の集積で、本としてまとめるには、時間がかかります。その点は、私など高齢者のいささか困るところであります。
よそびとの 縊死したりとふ 林の辺過りて今日は蕗の薹見つ
おのがじし 別れて落つる滝の水 左右に迫りて木の芽吹きそむ
とりどりの 色に咲きたる薔薇の花 塀より出でて影と戯る
葦切りの 耳を聾するとや言はむ 葦の根方に籠もりてぞ鳴く
沼の面を 分けたるごとく白鷺の かたみに別れ三ところに立つ
著者プロフィールーーーーー
安孫子 十字(あびこ じゅうじ)
兵庫県在住。
■著作
短歌集
『大寺の裏』
俳句集
『木の葉雨』
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