能登の民話: 「嫁礁」を読み解く

(著) 山﨑和恕

Amazon

作品詳細

「昔話を分析する手法はいろいろあり、それぞれの国の文化特性の分析もかなりすすんでいる。話は『出会い』と『別れ』を含み、話の運びや結末のおさめ方も多様であることがわかっている。その結末はハッピー・エンディングであるとは限らない。」(本書「はしがき」より)
本書は能登の民話「嫁礁(よめぐり)」を題材に、構造相の分析・イーミック(人々がある現象を、どう意識又は識別しているのかを“内側”から見て分析する方法)な視点からの民話の構造分析などをおこなった民話研究の書。また能登の方言の語りに英語と中国語の対訳が付されているため、異なる文化圏の人々も楽しめる一冊となっている。

【目次】

はしがき グリム童話の「シンデレラ物語」のことにふれて
第1章 能登の民話「嫁礁」
第2章 「嫁礁」の構造相を分析する
第3章 イーミックな視点からの民話の構造分析
協力者紹介
あとがき 映画『ローマの休日』のことにふれて

【著者プロフィール】
山﨑 和恕(やまざき かずひろ)
1935年、石川県羽咋市生まれ。金沢大学卒業。石川県公立学校教諭を経て1989年に星綾女子短大助教授。金沢大学教養部非常勤講師、星稜女子短大教授・学長を経て、2004年退職。
著書に英文『加賀・能登の民話』JAPANESE FOLKTALES OF KAGA & NOTO(Ruth P. Stevens共訳、北国出版社1981、全国学校図書館協議会選定図書)がある。翻訳に『シンデレラ 9世紀の中国から現代のディズニーまで』(池上嘉彦・三宮郁子共訳、紀伊國屋書店1991)、新版『あか頭巾の秘密 民俗学的アプローチ』(池上・三宮共訳、紀伊國屋書店1996)、注釈にThe Adventures of Sherlock Holmes(ニューカレント・インターナショナル1989)、執筆・校閲協力に『小学館ブライト英和辞典』(小学館1994)。
「学術文献刊行会」推薦論文集『国文学年次別論文集国文学一般』(朋文出版1991)に収録された論文が本書第3章「イーミックな視点からの民話の構造分析」である。

新刊情報

       

22世紀アート
オフィシャルコーポレートサイト

百折不撓