葦の中の迷路

(著) 中西義明

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作品詳細

ー本文よりー
私の世代は、大戦前に生まれ、戦前戦中の悲惨な体験、敗戦から戦後の復興期、安保闘争、高度経済成長期、バブルを経てその破綻、東欧、ソビエト社会主義体制の崩壊、9・11を経てからの新自由主義への加速、阪神と東北の自然災害、競争激化による規制緩和、リーマンショックを発端とした経済恐慌、そして今は、顕著になってきた格差の中で、右翼の思想が世界的に形を作り、台頭しかけてきている時機、このような激動期を生きてきたということです。
そして作中人物もそれぞれの場で時代に流されながらも、それぞれが悪しき事も良き事も自覚しながら、そのようになった事らを、そうせざるを得なかった生き方として、不安なままにがむしゃらに生きていこうとしているし、生きていると思いたいのです。
葦の群生地の中にいて、葦の向こうに拓けた空間が見えるのに、見えながら迷路から脱出できないのです。不条理という環にはまり、もがき苦しんでいるのです。言ってみれば、それが生きるということなのでしょう。

様々に移り変わる世界の中で、人は、人々はどのように立ち止まり、流され、そして生きるのだろう。
会話の機微が美しくも儚い短編小説集。

著者プロフィールーーーーー
中西 義明(なかにし・よしあき)

1934年兵庫県生まれ。奈良県在住。
光風工業(現和歌山工業)高校機械科卒業。
金物メーカーに定年まで勤務。
大阪文学学校(当時の事務局長は松岡昭宏氏)で本科4期、研究科1期修了。
安部公房に傾倒。

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