言葉と音楽:朗読から音楽ははじまる
(著) 新垣壬敏
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[商品について]
ー言葉という楽譜を歌い上げるー
日本の国語教育は読解力が重視され、音読についてはあまり意識されることはありません。
しかし、言葉は単に情報を伝達するだけのものから人の心に訴えかけるものまで様々な形があり、それを音声として伝達する場合、音読する人間の影響を大きく受けます。
本書は、長年音楽研究に携わり、作曲家としても活躍する著者が、音楽の原初的な形である「朗読」を通じて音声で言葉を伝えるために必要な方法を学べるように、一般の方にも分かりやすい様にまとめられた作品です。
発声時の姿勢から呼吸法などの基本原理から始まり、具体的な練習課題を通してアクセントやリズム、フレージングなど表現力を高める技術を身に付け、最終的に言葉が「読まれたがっているように」朗読する段階を目ざします。
ビジネスでも表現力が求められる今日、日常生活から公の場まで、本書は様々な場面でご活用いただける一書となっています。
[目次]
はじめに
Ⅰ 音声化の原理
1 発声の基本
2 朗読は音楽の原初的形態
3 モーラ言語とシラブル言語
4 母音と子音――モーラの要因――
Ⅱ 表現力を高めよう
1 アーティキュレーション(ARTICULATION 歯切れ、活舌)
2 アクセント(ACCENT強勢)
3 ポーズ(PAUSE間)
4 リズム(RHYTHM 流れ、関係性)
5 フレージング(PHRESING 句節法)
6 イントネーション(INTONATION 抑揚、語調、調子)
7 プロミネンス(PROMINENCE 強調)
Ⅲ 練習課題
1 『徒然草』より
2 『平家物語』より
3 『草枕』より
4 『怪談』より
5 『桜桃』
6 『八月十五日の日記』より
7 『日本一心のこもった恋文』より
8 『死について考える』より
9 『いなばのしろうさぎ』
10 『イソップ物語』より
11 『はるよこい』
12 『鬼と三人の旅人』
13 詩編一九
14 詩編一三三
15 I was born 吉野弘
16 砂のうえの足跡 マーガレット・F・パワーズ 坂牧俊子訳
17 或るクリスマスの出来事 佐久間彪
18 薔薇 アマンダ・マクブルーム
19 人魚のうた 村上一光
20 夕星(ゆうずつ)は サッポオ 呉茂一訳
21 子守歌 立原道造
22 螢 村上一光
23 水仙 ワーズワース
24 冬木立 清水光子
25 はるかな道を 清水光子
26 たんぽぽの夢 薩摩忠
おわりに
《著者紹介》
[出版社からのコメント]
朗読、と聞けばプロのナレーターやアナウンサー等を思い浮かべますが、それは裏を返せば「音読」はプロの技術になりうるということでもあります。本書は朗読をテーマとしていますが、日常生活の「話す」行為すべてにも参考となる内容となっており、いかに話し、いかに言葉を伝えるかという観点からも、ぜひ多くの方に本書のメソッドを活用していただければと思います。
【著者プロフィール】
新垣 壬敏(あらがき・つぐとし)
1938年、フィリピン・パナイ島イロイロ市生まれ。沖縄県出身。
1968年、国立音楽大学作曲科卒業。
現在、白百合女子大学教授、東京カトリック神学院講師。作曲家。
著 書
『楽典』『総合ソルフェージュ』『カトリック典礼聖歌集』
『クリスマス女声合唱曲集』(パックス アーレン)
『日本のミサ曲』(サンパウロ典礼音楽シリーズ ミサ曲①)
『クリスマス聖歌集』(サンパウロ典礼音楽シリーズ 賛美の歌①)
『マラナタ―主よ来てください』(サンパウロ典礼音楽シリーズ 賛美の歌②)
『賛美、それは沈黙のあふれ』(教文館)
代表作
ミサ曲「平和の願い」「聖フランシスコ・ザビエル」
「神の母聖マリア」「主の招きに応えて」
典礼聖歌「ごらんよ空の鳥」「マラナタ」「キリストはぶどうの木」
ほか100余曲
歌 曲「新垣壬敏歌曲集」
連作歌曲「小さなわたしたちのワルツ」
器楽曲「無伴奏フルートのための〝うるまの歌〟」
「オルガンのための〝越天楽のテーマによる変容〟」
「無伴奏チェロのためのトゥバラーマ」
オペラ「阿麻和利(あまわり)」「26人の殉教」
C D「砂の上の足跡」「日本のミサ曲」「聖週間の典礼聖歌」
「或るクリスマスの出来事」
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