貴方の最期、看取ります:「死なせ屋ゴン」の終末期医療日誌
(著) 板野聡
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―「手術で治す」以外にも、医者がやるべきことはたくさんある―
「大腸癌を切らせると右に出るものがない」と言われ、外科医として、また「次期教授候補」として将来を嘱望されていた伊達健夫。しかし、大学にいる限りは自分が手術した患者の最期を看取ることも叶わないという、医療システムの現実に気付いたとき、「自分が本当にやりたい医療」への思いが頭をもたげはじめる――。
いくつもの出会いと別れを繰り返しながら、伊達はいかにして大学を離れ、「死なせ屋ゴン」への道を歩むようになったのか。
高齢化社会、多死社会に向けて、誰にでも訪れる死と命に向き合おうとする一人の医師の、はじまりの物語。
[目次]
プロローグ 「看取り医ゴン」
伊達の若い頃の記録から
その一 「DOA」
その二 「また会えるかな」
その三 「泣き笑い」
その四 「死水(しにみず)」
その五 「ゴンの原点「作品」」
その六 「声」
その七 「息子の涙」
その八 「戦友──告知・その1」
その九 「父の贈り物──告知・その2」
その十 「人形」
その十一 「ありがとう」
その十二 「男の約束」
その十三 「命は神様に」
その十四 「命預けます」
その十五 「嬉しい訪問者」
エピローグ「看取り医ゴンがゆく」
あとがきにかえて(電子書籍発行にあたって)
著者略歴
[出版社からのコメント]
いかに生き、いかに死ぬかということは、私たちにとって非常に重要な問題です。しかしそれは、誰にでも当てはまる「答え」を期待することができない、難しい問題でもあります。「尊厳死」のように、言葉をいくら生みだして議論を重ねてもそこに答えはなく、ただ日常の中にある生と死を見つめることでしか、それぞれの答えは見つからないのかもしれません。本書の中の「ゴン」の様な医師と巡り合うことは中々難しいですが、「ゴン」と共に物語を歩みながら、それぞれの「答え」を探す時間を過ごしていただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
板野 聡(いたの・さとし)
医療法人寺田病院 院長
岡山県倉敷市出身。
1979年大阪医科大学を卒業後、同年4月に岡山大学第一外科に入局。以来、消化器外科、消化器内視鏡を専門として地域医療に取り組んでいる。
寺田病院には、1987年から勤務し、2007年から現職。
「臨床外科」(医学書院)にエッセイ「1200字通信」を15年間連載し、令和2年12月号で終了した。
橋本財団"Opinions"に寄稿中。
2016年、短編小説、「星になった少女」(文芸社)、「伊達の警察医日記」(文芸社)を上梓。
2018年「看取り請負人 死なせ屋ゴンがゆく」(ルネッサンス・アイ社)を上梓。
日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本大腸肛門病学会指導医、日本消化器病学会専門医、がん治療認定医、日本医師会産業医、ICD認定医、麻酔科標榜医、三重県警察医ほか。
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