運命の山:あるアイヌの血をひく少女と樺太引き揚げ者の青年の物語

(著) 梅野浩三

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作品詳細

[商品について]
―北の大地で運命を生きる―
戦前に帯広の部隊から脱走してきた若者を匿い父を失ったアイヌの娘・幸、その若者と幸との間に生まれた道子、終戦の翌年に男手もなく困窮していた幸と道子の家に転がり込んできた元「七三一部隊」だったという栄吉、栄吉と幸の間に生まれた妹・映子、他所者でありながら一匹狼として集落で一目置かれ造林と鉄砲撃ちをして暮らす久雄――。昭和三十年代の北海道を舞台に、狩勝峠を越えた山間の集落で、外地からの引き揚げ者や開拓に入った者など様々な事情の人間が、厳しい自然、貧困、差別、掟と闘いながら生きる運命を描いた長編小説。

[目次]
第一章 燃える林道
第二章 雪中の鹿狩り
第三章 飯場での博打
第四章 鹿の首の取引
第五章 為吉の恋
第六章 隣集落での栄吉の博打
第七章 道子の決心と久雄の取引
第八章 道子の「清月」での生活
第九章 岩魚釣り
第十章 久雄の森林案内
第十一章 組織の締めつけ
第十二章 栄吉の死が招いた果実
最終章 死を賭した脱出行
著者プロフィール

[出版社からのコメント]
厳しい自然、貧しい暮らし、かつて多くの日本人にとって当たり前であったそうした日常は、人々にどのような情念を抱かせるのでしょうか。愛情や嫉妬、憎悪、欲といった中に見られる人間の姿や本質について、思いを巡らせながらこの物語を楽しんでいただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
梅野浩三(うめの・こうぞう)

1944年、台北市生まれ。
終戦後、北海道に引き揚げ、父の転勤に伴い全道各地を回る。
北海道上川管内で中学校数学科教諭を経て小学校長、中学校長を歴任し退職。
北海道在住。

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