障碍児心理学ものがたり:小さな秩序系の記録Ⅰ【電子書籍版】
(著) 中野尚彦
Amazon作品詳細
[商品について]
―障害について論ずる前に、まず人について語らねばならない―
両手の掌で壁を叩きながら小刻みの横歩きで部屋中をぐるぐる回りつづけた全盲のやっちゃん、手や身体に何かが触れることを極端に嫌がり背中しか触れさせなかった重度の障がいを持ついずみちゃん、何かを求めて自傷に埋もれ、頭を叩き続けた未熟児網膜症のさっちゃん、そして福祉や教育の場で出会ったたくさんのこどもたち、彼らは私に大切なことを語ってくれた。障害についてではなく、人として語るべきことを語った。だから私は、一人の人としてのこども達を書き留めておこうと思う。人を人として語る、それなしに人について何も知ることはできないのだから。――こども達と時を過ごすことだけが仕事で履歴のすべてだという著者が、こども達の生きる姿を語る。その一つ一つは障がい児教育の貴重な資料であるが、人を語るエッセイでもある。
[目次]
献辞
序
こどもたちの名前
第1章 そして今日まで
第2章 出会い
第3章 見えない空間
第4章 こどもの世界
第5章 誰と暮らすか
結び
あとがき
こども一覧
著者略歴
[担当からのコメント]
本書に綴られているのは著者が子どもたちを見つめながら過ごした時間ですが、気づけばその場にいるような気持ちで共に悩んでいる自分がいたりします。障がい教育を考えるうえで大事なことは、きっとそういうことなんだろうと思わされます。教育記録としてもエッセイとしてもお楽しみいただける本書、ぜひご一読ください。
[著者略歴]
中野尚彦(なかの なおひこ)
1940年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程心理学専修課程退学。東京都心身障害者福祉センター視覚障害科、群馬大学教育学部教授を経て、同大学名誉教授。明和学園短期大学教授。
新刊情報