雁よ渡れ:全国の雁のいる風景を取り戻すために

(著) 呉地正行

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作品詳細

[商品について]
―人はときに人生を狂わせる魔の力に魅入られることがある―
夜の静寂をやぶって注がれるひと筋の朝の光が、しだいに雁の群れにたぎりをもたらし、そして一斉に飛び立つ雁の総立ちの光景。伊豆沼の朝に見た天地を鳴り響かせる雁の飛翔は、忘れがたいほどの印象をもって著者をとりこにした――。古くから和歌に詠まれるほど、日本人に馴染み深く、その心を惹きつけてきた雁。本書は、その雁に魅せられ、日本雁を保護する会会長も務める著者が、雁の生態や生活史、定説を覆すオオ調査、日ソ共同での保護活動、自身の住む街と雁や自然との関わりなど、雁にまつわる多彩なテーマでその魅力を綴った作品である。鳥の愛好家はもちろん、私たちにとって欠かせない自然について考えるうえでも示唆に富む内容となっている。

[目次]
伊豆沼(いずぬま)と蕪栗沼(かぶくりぬま)地図
ガン類系統分類表
日本で観察されるガン
パート1◎ 雁のいる風景
パート2◎ 日本のガン
日本のガン
ヒシクイとオオヒシクイ
日本とロシアの共同調査
ガンの「里親」になる
念願のカムチャツカ
シジュウカラガン回復計画
ハクガンをもう一度日本の空へ
コクガンの謎
伊豆沼のガン
マガンの渡り
マガンの北上
未来を見つめる渡り鳥
より広く分布せよ
国際的な流れの中で
ラムサール条約とは
人と鳥との共生をめざして
冬の田んぼに水を張る
新しい水田農業の可能性を探る
もう一つのグリーンツーリズム
「ふゆみずたんぼ」のネットワーク
パート3◎ 若柳町物語
付◎日本雁を保護する会の活動実績
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
私たちの身の回りに生きている動植物は、自然の状態を知るためのひとつの指標となってきましたが、グローバル化が進んで地球規模でものを考える今の時代、渡り鳥は特に私たちに貴重な情報をもたらす存在なのかも知れません。生きものである私たちが生きものを通じて自然とつながることの意味を考えるきっかけとして、本書が多くの方の参考となれば嬉しく思います。

【著者略歴】
呉地 正行(くれち・まさゆき)

一九四九年神奈川県生まれ。
東北大学理学部物理学科卒業。
日本雁を保護する会会長。
一九八一年、日本鳥学会より鳥学研究賞。
一九九四年、日本鳥類保護連盟総裁賞。
二〇〇一年、「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰(保全活動部門)。
宮城県栗原市若柳在住。

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