スキーを通して自然を尊び、自然の温かさにとけこみながら、心と生活を豊かにする。

福島県のスキー文化

星 一彰/著

発売日:2018年4月18日

800円(税込)

装幀

カバー/Salomon

デザイン/22世紀アート


発行形態:電子書籍

ジャンル:教養



ー本文よりー

自然の中で人間を考える。そして自然と一体化することが、日本人の人間観の基礎でもあろう。雪の自然は、人々の夢をつくる核でもある。スキーを通して考えてみた。

雪国新潟県の長岡(幕末に会津藩と行動をともにした反骨の精神風土で、私の父方の曾祖父は長岡藩士であった)近くの出身である良寛は、死の床で「裏を見せ表を見せて散る紅葉」という句を口ずさんだといわれる。風にすべてをまかせて無心に散ってゆく紅葉。紅葉はすべてを風にまかせることによって、たとえ泥まみれの無残な姿になろうとも、さわやかな秋風を私たちに告げてくれる。これぞ理想の境地であろう。

私達も、人生にここちよい秋風を告げることができるよう心がけたいものだ。

文化活動がどう展開され、享受され支えられているかは、その地域社会の心の深さと豊かさを示すと一般的に理解されている。福島県のスキー文化はどうであろうか、少し心が寒くなるような現実を認識せざるを得ないようだ。福島県内にもノルウェーのスキー博物館のようなセンター的な機能を有する施設が設置されることを期待したい。

自然を尊び、自然の温かさにとけこみながら、心と生活を豊かにし、地球環境時代に即応する新しいスキー文化を形成してゆきたい。

著書プロフィール


星 一彰(ほし かずあき)

 

福島県南会津郡桧沢村(現南会津町)生まれ。

会津中学、会津高等学校、東京教育大学農学部(現筑波大学生物資源学類)卒業。

福島県立高校生物学教諭38年間。

現在福島県自然保護協会会長、県環境アドバイザー、県自然観察指導員連絡会代表、県中山間地域等直接支払制度評価検討会委員、県立テクノアカデミー会津非常勤講師、日本自然保護協会参与、林野庁関東森林管理局国有林森林計画等検討会委員、尾瀬保護財団評議員など。


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コメント: 5
  • #5

    藤野 斉 (水曜日, 19 9月 2018 17:54)

    文化とは、それを持つ者にとって、自信と誇りを与えてくれるものです。
    それだけに、その文化が正しいものではなければ、砂上の楼閣になってしまいます。
    本書は著者の人生に沿ってスキーの文化が語られており、福島の方がとても羨ましく感じさせられるものです。もちろん、その他のスキー好きの人達も大いに楽しめる内容です。
    スキーをやっている人は、大勢いますが、そこから、人生や社会、文化、といたったことを感じて考えられておられる筆者は、おそらくとても見識の高い方だと思われましたし、語られる内容はとても勉強になりました。
    ほんと、本書は、スキーを文化と考え、スキーを通じて人生を豊かにできることを痛感させられるものです。
    現在はスキー人口は減少しているということですが、本書を読めば、福島地方の人もそうでない人も、みんな、早く冬になって、早く文化的なスキーを楽しめないかなぁ、と切願することでしょう。

  • #4

    ポレット (水曜日, 19 9月 2018 17:54)

    人間は自然の中でものごとを考え、自然と一体化することで、人間観の基礎が形成される。自然を尊び、自然の温かさに溶け込みながら、心豊かに生きていきたい。

  • #3

    カンガルー (水曜日, 05 9月 2018 17:53)

    雪の自然は人々の夢をつくる核であり、雪が人間に忍耐の心を与えるという作者の言葉が、胸に響きました。幼いころから雪の中で育ってきた作者だからこそ、言葉に重みがあり、説得力があります。

  • #2

    ましゅまろ (木曜日, 30 8月 2018 09:37)

    私の住むところで遊ぶと言えば、ゲームセンターにカラオケなど。自然と戯れる事などありません。しかし、福島県の人々にとっては、雪と上手く付き合うことが当たり前。もはや、生活に浸透しています。最近、大人になって、自然と戯れることを忘れてしまった。久しぶりに山にでも行こう。そんな気持ちにさせてくれる一冊です。

  • #1

    ルッコラ (木曜日, 30 8月 2018 09:36)

    北海道のイメージが強かったが、スキーの発祥地が新潟県高田とは知らなかった。しかも、1911年始まりと、案外歴史が浅いんだなと感じた。スキー大会や雪上自然観察、アニマルトラッキングについても触れていて、興味を持った。