日本における自然保護運動の原点は「尾瀬」といわれる。尾瀬は関東地方と東北地方の接点にあり、日本海側と太平洋側の境界でもある。

江差追分物語

館 和夫/著

発売日:2018年6月17日

300円(税込)

装幀

カバー/22世紀アート

デザイン/22世紀アート


発行形態:電子書籍

ジャンル:教養



ー本文よりー

一九七九年(昭五四)から三年程の間、私は江差町から公的な記録である北海道無形文化財指定記念誌(昭五七・江差追分会刊)の編纂委員を委嘱され、それまで、いつかはとあこがれて果たし得なかった追分節の歴史を探訪する機会にも恵まれた。

そのようなことが土台になって、十年後、江差追分の歴史について、若干の私的見解や思い出話等を交えながら書き上げたのが本書である。

もともと信州辺りの街道筋に生まれた馬子唄が、やがて北前船の船子達の愛唱歌になり、おのずから海の調べを帯びて生れた江差追分であるが、現在では各地で盛んに行われている競演会の影響を受けて、歌唱技術が極限にまで発達し、曲節の規格化も進んで識者から芸謡と呼ばれるまでになっている。しかし、民謡というものは、本来、もっと自由に、あまり細かい型にとらわれずに、日常生活の中で唄い、かつ聴いて楽しむべきものであろう。

要は、どんな形であれ人と人の心をつなぐ万人和楽の唄としての江差追分の魅力を、私は、この書の中で少しでも多くの人々に知ってもらいたいのである。

ところで今後、この唄の未来を左右する若い世代の日常の生活意識というか時代風潮はどのようなものだろうか。もっぱら新しいものを取り入れるのに忙しく、古いものや、面倒なものは顧みるいとまもなく捨て去ってしまう、というのが大方の現状であろう。

我が国の音楽の中で、最も民族の特性を深く表しているのが民謡だとすれば、その根幹をなす精神上、表現上の要素がたっぷりと含まれている江差追分というものに、現代の若者たちはもっと強い関心を懐いてほしいと思う。

著書プロフィール


館 和夫(たて・かずお)

1937年(昭和12年)檜山管内厚沢部町生れ。

宇都宮大学農学部卒業。

北海道林務部職員として勤務。平成9年退職、現在に至る。

樹木医。江差追分会理事。函館市在住。

著書に『江差追分』(昭57年、江差追分会編)、『男爵薯の父・川田龍吉』(道新選書45)などがある。


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