尊孔論と批孔論

松尾 善弘(著)

発売日:2016年3月28日

カテゴリー:

 

歴史

学術書


「尊孔論」とは意識的にしろ無意識的にしろ、孔子を至高の聖人と仰ぐ学説のことである。日中の歴代の漢学者の多くは「尊孔論」者であり、例えば『論語』の注釈などを無批判的に行うので、結果として孔子の聖性をいやが上にも高めることに「貢献」してきた。一方、ごく少数の学者が身の危険を覚え世に禅りながら細々と「批孔論」を展開してきた。日中を問わず遍く行きわたった尊孔風潮の裏返しとして「批孔論」はことごとにタブl視されてきた。先秦諸子なかでも法家の否定的評価に始まり、孔子生誕二千五百年祭盛行の今日に至るまで。近代化したわが国や社会主義を標携する中国にあってもなお、広くは社会生活の規範となり、個人的にも日常行動の基準の一班となっている儒教思想ーその祖孔子の教えを「哲学」の観点から批判的に捉えることこそが、これからの新しい社会を切り拓き築き上げる活力ともなるに違いないと考えている。 

コメント: 2
  • #2

    kan (木曜日, 04 1月 2018 09:33)

    東洋哲学は、海外での教育やビジネスに用いられるほど実用的かつポピュラーな学問である。だがしかし、日本人が疎いうことも残念ながら事実である。解説本もあることにはあるが多くのものは幼稚なものが多い。しかしながらこの本は、東洋哲学を、多面的に考察し学問的意義を与えている。本当に学びたいと言う意思があれば、また本当に自分の手に入れたい人には、この本は多くの助けになるに違いないと私は考える。

  • #1

    三郎 (日曜日, 10 12月 2017 19:00)

    孔子の祖国中国、儒教の国韓国――この両国の最近の仁義礼智信をわきまえぬふるまいはいかがなものかと義憤に駆られる私。陽明学と朱子学、文化大革命時の孔子批判、論語と算盤、思想哲学と経済学等、様々な切り口で登場してきた論語のいかがわしさと崇高さに新たな視座を与えてくれた一冊だった。