人類普遍の原理: 国際社会の平和と人類道徳の基準理念として

(著) 榎本昭

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作品詳細

政治、経済、法などの社会システムが
社会主義という理念によって崩壊されつつある。
国が滅びる前に、何らかの手立てを考えなければならない。
「人類普遍の原理」とは道徳である! と喝破する著者が
この世界の行き着くところを「幸福」「平和」に求めて
世界を根本的に洗い直す。
悩める現代人、必読の書。

地球という惑星に人類という種族が誕生し、生物進化の頂点に立って、文化・文明を創造して、現代に至っている。人類は同一種族にもかかわらず、欲望や利害の対立のため、争ったり、傷つけ合ったりしてきた。ついには、大量殺人兵器をもつくってしまった。
 世の生存競争に勝つため、戦力を増強して戦争の多い世になったらどうなるか。軍備に多額の費用をかける結果、生活の質は下がり、世は不安定となる。假に、戦力で世界を征服したとしても、歴史の示す如く、武力による勝者の世は長続きしない。結果的に愚かな行為と言わざるをえない。
 では、平和的に世の問題を解決するには、どのような原則や手段が用いられるべきか。世界には、民族の違い、時代の変化により種々なる主張がなされてきた。又、現代では地域的な問題のみでなく、地球規模で、温暖化、環境汚染、海洋資源の収益等の新しい問題も浮上してきた。
 人の世には共通して「ヒューマニズム」という言葉が存在する如く、人類全般にわたっての人道的基本理念(人道)が存在する。戦争中であっても、赤十字活動により、敵味方なく助けたり、自然災害時には救助隊を派遣したり等の協調的行動を行ってきた。今日までの人類発展の経過で明らかな如く、いかに人間が知能に優れ、科学を発達させたからと言って、人類同士の互いの協調なしには、今日の人類の繁栄はなかったと考えられることを銘記すべきである。人類が必要とする道徳理念について考察をすすめる。
自国の富国強兵を主眼として、急速な経済発展をめざす国が現れたり、偏った宗教理念に基づいて人々を戦争にかりたてる集団が発生したり、自己の利益の増大のため極端な自由経済を主張して、富の偏在をまねく等の社会的矛盾が造成されたり、現代は多様な道徳理念が生成され、世の混乱をまねいている。いずれも人類全体から見れば、狭い視野の考慮に基づくと推察される。広い、グローバルな現点、人類全体を考慮し、眞に公正な道徳理念の確立が望まれる。物事の解決は力ではなく法と秩序による平和的手段により行われることが切望される。

〈著者略歴〉


榎本 昭(えのもと・あきら)

1956年
東京医科歯科大学医学部卒業。同年東大病院インターン研修。
1957年
東京医科歯科大学病院第一内科勤務。
1960年
国立国際医療センター内科勤務。
1961年
東大病院第三内科勤務。
1974年
英国ニューカッスル大学留学、勤務。
1977年
東大病院第三内科勤務。
1978年
榎本医院開業、現在に至る。

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