ヒトが人になれた理由(わけ)

(著) 竹村公彦

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作品詳細

ー本文よりー
人の様々な能力も、性質・性格も、日々の生活で受ける様々な情報や体験で得る知識として、食事によって身体が成長し、運動によって体力が発達するのと同様に成長し、発達する。しかし、日常得ることのできない情報や知識、体験することのない事柄は、当然、修得も獲得もできないが、親の生活のありようや、交流のある社会のことはそのまま身についてゆくことになる。
かつては「人のふり見て我がふり直せ」と言い、また、我が子が世間ですることで自分が笑われるようなことにならぬようにと、我が子の模範となるべく注意して生活をする親が多かった。こどもは日々の生活から学んで育つから、こどもが親を映す鏡になるからだ。今日は自らのことは別とばかりに、ことばによって躾をしようとすることが多くなっているらしく、つい無用な指図をし、規制や抑制をしてしまう。それが問題の原因の一つとなっているようである。
大切なことは人の「欲」のありようであり、「欲」の効用をしっかり理解すると同時に、「欲」をよくない方向に向かわせたり、抑制することの影響の好ましくない結果を知って生活せねばならない。

著者プロフィールーーーーー
竹村 公彦(たけむら・きみひこ)

昭和11年生まれ。
長野県飯田市出身。
昭和36年、名城大学卒業。
以来、2003年3月まで同大学にて教鞭をとる。 
著書に『子どもはこうして育てよう』(2002年)「かくて学校から人材が輩出する』(2005年、どちらも文芸社刊)がある。

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