慟哭のヘル・ファイアー

雨宮 惜秋(著)

発売日:2017年9月12日

(オリジナル発売日:2015年9月21日)

カテゴリー:

小説

社会


かつての美貌を称えた母は、病が元で5年にも及ぶ寝たきり生活をおくっていた。

日に日にその美しさを失っていく自分を自覚した時、その存在すら消し去りたいと願った。

「勇ちゃん、お願い。お母さんを殺してくださいな」

そして母は息子・勇司に、自らを殺して欲しいと打ち明けた――。

母親殺しにはじまる物語は、様々な人物の思惑と隠蔽が入り乱れ、

さながらオイディプスの逆説的終局からはじまる物語を思わせます。

勇司は、すべからく選択者です。

自身の人生を自ら選んで手に入れ、失い、その繰り返しの中で

物語のおぞましさは加速度的に進行します。

著者プロフィール


雨宮惜秋(あまみや せきしゅう)

 

昭和19年2月、東京生まれ。

日本大学法学部卒。

2004年に画家から文筆業に転身。

近代史資料館・瑞宝館館主。



コメント: 5
  • #5

    さきあきあみ (土曜日, 30 12月 2017 13:30)

    長年病に冒された母親を自らの手にかけるという衝撃的な始まりに吸い込まれるようにして読み始めた。
    それからの主人公の身に起こる出来事は、自分もいつか夢で見たような、非現実的で悲しみ、希望、恐ろしさの入り混じった世界。不思議な人物の登場。これは主人公が母親を殺してしまった絶望のあまり見た夢なのだろうか。最後はほっとして終わるところも夢のようである。自分もいつかの夢の続きを見ているような気分で、殆どは途中で目が醒めるがこの物語で最後まで見ることができてすっきりした。

  • #4

    馬場 (土曜日, 30 12月 2017 13:16)

    母子の問題は他から見たら特殊に見えるだろうが、お腹の中にいるとき、母子は一体となっていた。母という存在を改めて考えさせられる文学だった。

  • #3

    さこ (水曜日, 06 12月 2017 13:04)

    短い作品の中に、一人の女性の葛藤と覚悟。
    これ以前にも、女性が悩み、もがいた経緯を読み取らせる。
    そして、誰もが迎えるであろう、人生の最後を考えさせられる内容である。

  • #2

    大地 (水曜日, 06 12月 2017 12:32)

    何て続きが気になるのか、生かすも殺すも筆者が握ってる。故に迷いも生じるのではないかと勝手に妄想しています。ですが想像力を掻き立てると言っても過言ではないと思います。逆手に取っているのか否か、知りたいところではありますがそこは私の知り得る範疇ではないのであとは委ねます。偉そうですみません。

  • #1

    三郎 (水曜日, 06 12月 2017 11:11)

    ゴミにはなりたくない。そこで、『護美』になる主人公。これって平成版泉鏡花の世界だな。美しく人生を畳もうとする強い意志、法律を超越した散り際の美学、画餅とは言わせない筆力、美しいものほど毒とトゲがあることを再確認。