愁怨

西川 日惠(著)

発売日:2016年5月12日

 人間存在の深層に死の極限において対決した地獄そのままの苦悶と、死の深淵から再起しようとした著者の捨身な告白であって、思想、道徳、哲学的論拠の全内包を昇華させた、宗教的情趣にまで止揚し得た作品である。 

 作品全体を通観したとき、著者の人間的な苦悩が現時点に反映され、心理描写においては精致を極め、写実は線蜜にして全篇ことごとく詩情に溢れ、人間の哀歓を余すことなく描碇している。 

 敢へていうが、この格調高い作品集は、必ずや万人の心を捉えてその琴線をゆさぶらずにはおかないであろう。 

 

 

カテゴリー:

小説

文学