憎悪と報復の塊根、轟玲香と稲葉殿子の二人を主に繰り広げられる物語。
物語に登場する、それぞれ違ったタイプの轟玲香と稲葉殿子。
二人は向き合えば、些細な行き違いやボタンの掛け違いから、事が縺れて諍いの種を生む。放って置けば、小さな種はこぼれて地にはびこり、やがて憎悪と報復の塊根となって太り、そこから茎を伸ばし、枝葉を広げることにもなりかねない。
国家レベルとなれば、国籍、政治、経済、宗教、思想の違いなどから行き違って衝突。ついには核を含む武力でもって戦争を引き起こし、民族滅亡にまで至らしめる。そうなれば、恨み辛みは骨髄まで。先祖代々、重複して引き継がれ、後世に報復といった反逆精神を増殖させてしまおう…。
著書プロフィール
三田薫子(みたかおるこ)
金沢市在住。水瓶座生まれ。
著書に「女の手取川」三部作、「串の女」「桜草子」「女恋坂」「花結び川」「母胎回帰」ほか多数。
創作に月刊北國アクタス連載の長編時代小説「女人天華」がある。
1990年、建設省の「水辺の未来の夢」と「夢ロード21」論文でともに大臣賞を受賞。その賞金でオーケストラ・アンサンブル金沢による交響曲「川」四部作ができる。
日本ペンクラブ会員
日本河川協会会員
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