生きる自身の心を林檎で表現、そこからのエネルギーによる圧倒。


画家

 

村上美穂



以降に掲載している全ての画像において、無断転載・複製の一切を禁じます。

象徴的な写実表現。

 

単純化した抽象の構成で表す理解に苦しむ迷宮。

 

そして世の中の混沌。

 

遠近法にも囚われることなく、同じ大きさに描かれた球体が増幅し溢れ、そして回転しながら上昇していく。それが平面から立体へ、そして次元を超えた世界へと昇華し、その迸るエネルギーを受けて作品のテーマでもある情熱・躍動・愛を生み出していく。

 

鮮烈で個性的な赤から連想される高揚、炎、パワーそして愛。適度に加えられた補色の緑がより一層の効果をなしている。

 

懸命に生きる自身の心を林檎で表現し、そしてその林檎の集合体から発するエネルギーが観るものを圧倒させる。

永遠(F15)
永遠(F15)
迷宮(F15)
迷宮(F15)

画家:村上美穂

プロフィール

1995年

横浜東急百貨店・企画個展

 

1998年 

「異人館を水彩で描く」個展(NHK神戸)

洋画グループ「一絵会」発足

個展(神戸国際会館11F)

企画展(広島ホテルグランヴィア)

 

2005年

「国際平和ポスター・コンテスト」審査員

 

2006年

個展(神戸TOR GALLERY)

 

2008年

大阪市長賞。日仏150周年パリ出展・受賞

西湖芸術博覧会・受賞

モナコ公国芸術褒章

 

2009年

ル・サロン展(フランス)

 

2010年

個展(神戸・ギャラリーあじさい)

ライブペインティング(フランス・エヴィアン・作品寄贈)

フランス・バルビゾン市表敬訪問・作品出展

 

2013年

サロン・ドートンヌ展(フランス)

Arts Selection in the LES,NYC(アメリカ・ニューヨーク)

作品「時の流れ」(神戸新聞社へ寄贈)

 

2014年

「私の心」展(東京・赤坂サカス)

「リール・グランパレ現代アートフェア」(フランス)

個展「ギャラリー・オルシャン」(フランス・パリ)

「ストラスブール・ヨーロッパ現代アートフェア」(フランス)

 

2015年

「リール・グランパレ現代アートフェア」(フランス)

個展(兵庫県民アートギャラリー)

「ストラスブール・ヨーロッパ現代アートフェア」(フランス)

 

2016年

「リール・グランパレ現代アートフェア」(フランス)

「ワールドアートドバイ」(ドバイ)

「アーティスト・デュ・モンド ル・サロン・ドートンヌパリ展」(フランス)

 

2017年

「ART-UP! LILLE GRAND PALAIS 2017 - Foire de contemporain de France」

私の心
私の心

完成された絵のイメージを心の中で追いつつ、画布を木枠に張っていきます。

張リ具合を確かめながら鋲を一本一本丁寧に、力いっばい打ちつけていく作業も、私にとっては制作する間の、ひとつの大きな楽しみです。

 

張リ終わった真っ白のカンヴァスを目の前にすると、新鮮な緊張感とまだ見ぬ作品への期待で胸が震え、そして厳かな気持ちになります。

 

今、振リ返ってみると、いつの頃からか絵を描くことが私の心の大部分を占め、そして人生の大半を埋めていました。

 

絵筆を初めて握りパレットを片手に絵を描いたのは十歳の時。

 

梨をふたつ並ベー生懸命それを観察しながら、利き腕の左手で、思い切り自由に筆をふるったのは、初秋の頃でしょうか。

 

懐かしい思い出です。

 

その頃の私の絵は、手元にはもう一枚も残っていませんが、子供時分に絵の先生がいつも私に下さっていた山のような画材や油絵具、クレパス、紙などをまるで遊び道具のようにして、ひたすら毎日毎日描いていたことは、よく覚えています。

 

その先生のアトリエに通っていた頃は、エッチング用のプレス機を勝手に動かして遊び、棚に並んだ美術手帖などの雑誌を次から次へと開いては見ていたのですが、そんな私を叱る事なく温かい目で見てくれていたようです。

記憶(F50)
記憶(F50)

絵を描き続けている今の私があるのは、その先生のお陰だとあらためて思います。

その後、十五歳からは、美術·音楽の指導に力を注いでいる高校に進みました。

 

「勉学は普通でも芸術は優秀であれ」という先生方の方針は私にとって天国のように感じました。ですから、その後もマイペースで、頭の中はいつも絵の世界を漂い、絵を描く事にひたすら励むことができました。

 

また、その高校の図書館には驚くほど多くの美術関係の本が揃っていて、日本の浮世絵などの資料もたくさんあり、授業を怠け図書館の床に座り込んでは、初めて眼にする西洋の古い絵や彫刻の歴史、日本の伝統や芸術の本などを夢中で読んでは眺めていました。

 

考えてみると、私は良くも悪くも子供の頃から偏った生き方を許されてきたようです。

その中で得た人生観は今となっては変えることもできませんし、日々の暮らしの中で走っては蹟き、ぶつかっては傷を負う、その繰リ返しの人生になってしまいました。

 

しかし、絵は幾度となく私を救ってくれました。

 

長い人生の間には、どんなに努力をしてもどうにもならないことが幾度も目の前に立ち塞がリます。そんな時こそ絵は最良の友となりいつも私の傍に居てくれました。

 

灰色に潰されてしまった心の中に、鮮やかな色が生まれ、多様に混ぎりあい、虹のように広がって私の心を他の世界へ誘ってくれるのです。

 

それを絵の世界への逃避と言ってしまえば、簡単なことなのですが。

 

でも、もし描くことを知らなければ、今の私というものは無かったかも知れません。

 

そう思うほど、絵は私の心の中に入り込み支えてくれたのてす。

 

ただ、絵というものは、描く者の心をそのまま、まるで鏡のようにカンヴァスの上に写し出します。

心模様(F15)
心模様(F15)

私の想いが形や色彩で表現され、それが観る人にも強く伝わってしまうのです。

 

そして年を経て自分の作品を改めて見る時、当時の喜びや悲しみが、長い間大勢の人目に触れていたことに気づき、心の中を曝け出してしまっていたことに顔が赤らむ思いをするのです。

 

その絵を観賞する人々の問いかけに、自分自身の心の内側には触れず、ただ理路整然と構図や色彩の解説をしてしまうばかりなのです。

未知(F15)
未知(F15)

 

絵を描く前には、いつも好きな音楽を聴いています。

 

それが絵の世界への入口となるからです。

 

アトリエの中は古いレコードやCD、楽器など山積みで、それが絵の道具やモチーフと重なリ、まるで古道具屋の風情です。

 

その中でクラシックや民俗音楽を気ままに聴き、また口ずさみながら時の経つのも忘れ描いています。

 

あふれるほどのモチーフ、多様なものたち、こころよい音楽、それらが醸し出す優しい空気と私自身がひとつになリ、時間がゆっくりと流れて白いカンヴァスの中からイメージが姿を現わし、まるでレリーフを彫り出していくように一枚の〝私の心〟ができ上がる、そんな気がするのです。

今日もまたひとつ〝私の心〟が生まれました。

 

絵画や音楽は私にとって生きていく大切なエネルギーです。

 

そして絵と共に人生を歩み経験を重ねていくうちに人の力だけでは決して成し得ない、何かがあるということに気が付きました。

 

それは植物や動物そして空や海、太陽や星など自然界のすべてのもの、それらを創造された神の存在の全てを実感したのです。

 

神の偉大さと計り知れないカを受け、愛という翼に覆われ守られて、日々絵を描いていける喜びに深く感謝をしています。


MIHO MURAKAMI

solo exhibition "MY HEART"

 

2017.10.3 tue. - 10.7 sat.

 

New York, Flushing Town Hall

137-35 Northern Blvd., Flushing, NY 11354

 

村上 美穂 個展「私の心」