シンガポールの今: 上から下から斜めから

角田 方衛 /著

発売日:2018年10月18日

864円(税込)

装幀

カバー/22世紀アート

デザイン/22世紀アート


発行形態:電子書籍

ジャンル:



自分の国に長年住んでいる人々にとっては、普段食べている食物、普段住んでいる家、普段着ている衣服、普段守らされている規則は、当たり前のものであり、当然のことである。なぜこのようなものを食べるのか、なぜこのような家に住むのか、なぜこのような衣服を着るのか、なぜこのような規則があるのかを、考えることはあまりない。外国では禁止されていないことを、自国では禁止している法律があっても、そのようなものかと思い、よほどのことがない限り、深く考えることはない。

 普段話している言葉でも、そうである。今なぜこのような言葉が、自国語として使われているのかを考える人は、専門家以外にはあまりいない。最初は辞書に載っていないような言葉でも、多くの人々に使われているうちに、何とはなく認知されて、なじんでしまう。たとえば、シンガポールで英語として普通に使われているオケラという言葉が、そうである。イギリスやオーストラリアで若いころ十年以上暮らしたシンガポール人たちでさえ、自国の友人と英語で話すときには、オケラをよく使っている。

 しかし、外国から予備知識なしに初めてシンガポールにやって来た人が、オケラという言葉を耳にし、それが英語の“OK“の代わりに使われていることが分かったとき、次からその言葉を聞くと、何となく意識してしまう。

 外国へやって来た人が自分の国とは違うことに出合うと、新鮮に感じて、外国に来たことを実感させられる。自国では普通のことが訪れた国で禁止されていると、それがなぜ禁止されているのか、気になることがある。たとえそれが生活していく上でほとんど影響がない、ある意味ではどうでもよいことでも、そうである。

著書プロフィール


角田 方衛(すみだ・まさえ)

 

1937(昭和12)年、福井市生まれ。九州大学大学院工学研究科修士修了後、旧科学技術庁金属材料技術研究所に入所。1972(昭和47)年、東京大学工学博士学位取得後、米・マサチューセッツ工科大学客員研究員。帰国後、金属疲労や金属系生体材料の研究に従事し、1998(平成10)年より科学技術国際交流センターに勤務。2002(平成14)年春から3年間、シンガポール国立大学工学部生体工学科客員教授等として同国に滞在。現在、(独)物質・材料研究機構(茨城県つくば市)客員研究員。つくば市在住。著書に『金属系バイオマテリアルの基礎と応用』(アイピーシー刊、監修共著)、『Comprehensive Structural Integrity Vol.9 Bioengineering(包括的構造健全性 第9巻 生体工学)』(英/パーガモン、共著)、『Biomaterials Engineering and Processing Series Vol.1 Engineering Materials for Biomedical Applications(生体材料工学とプロセス 第1巻 生体工学用材料)』(Singapore World Scientific、共著)等。

 


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