カウラの風【電子書籍版】

(著) 土屋康夫

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作品詳細

[商品について]
―「死の投票」がもたらした末路―
「生きて虜囚の辱しめを受けず、死して罪過の汚名を残すことなかれ」
1944年8月5日未明、オーストラリアのカウラ第12捕虜収容所で、日本兵捕虜の集団脱走事件が起きた。「生きて虜囚の辱しめ」を受けることを良しとしない日本兵の「死ぬための」脱走は、後に「カウラ事件」として世に知られることになるが、その決起の可否は事件の前日に投票によって決められたという――。
本書は、歴史の闇に沈んだまま、日本ではほとんど知られることのないこの「カウラ事件」について、当事者への丹念な取材によって光を当てようとする試みである。
今を生きる日本人として、過去と対峙し新たな歴史を作る上で必読の書となっている。

「目次]
プロローグ
第一章 文明国の物差し
第二章 連合軍カウラ第十二捕虜収容所
第三章 キャンプリーダーの苦悩
第四章 人間らしく生きる
第五章 長い夜
第六章 慈愛の母
第七章 生かされて
第八章 日豪の懸け橋
第九章 豪兵通訳の回想
第十章 カウラ大学
第十一章 平和への祈り
新章 カウラとの縁は続く
エピローグ
電子書籍へのあとがき
カウラの風 参考文献 順不同
著者略歴

[出版社からのコメント]
戦争を知ることの難しさは、過酷な体験をしたほとんどの人は口を閉ざすということにも原因がある様に思います。日本に帰国できた兵士たちも、その過酷な体験を同じ境遇の兵士以外と話すことはできなかったとすれば、彼らの戦争は終わることはないのかも知れません。形としての戦争は終わっても、こうした戦争を生きる人たちは今も世界には多くいる様に思います。本当に戦争を終わらせるために、今私たちができることのヒントを、本書の中で見つけていただけることを願います。

[著者プロフィール]
土屋 康夫(つちや・やすお)
1951年3月、岐阜県生まれ。
龍谷大学経済学部卒業後、73年、岐阜新聞社入社。
報道部記者、総支局、支局長勤務を経て報道デスク、編集委員、論説委員を務め、2011年3月、定年退社。以後、フリージャーナリスト。

著書
『岐阜・杭州市友好都市の歩み』
『20世紀岐阜の顔』
『虹色のバーを超えた男』(以上岐阜新聞社)
『カウラの風』(KTC中央出版)
『和解の海』(ゆいぽおと)
『ナツメの木は生きている(岐阜県日中友好協会)
『海を渡った鯨組の子孫たち』(ゆいぽおと)

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