回想 : 二人で生きた53年

(著) 神戸直江

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作品詳細

[商品について]
――戦後を代表する冤罪事件の1つ「辰野事件」で、権力による事件の捏造を証明するきっかけとなったのは、導火線の何でしょうか。
1.色、2.音、3.長さ
正解は、本書第2章「一 選挙の勝利とデッチ上げの解明」をご覧ください。

東日本大震災の起きた2011年の夏、8月22日の夜、いつも通りに屋根がついた鉄骨の外階段を上がり書斎に向かった夫は、階段で足を滑らせ昏倒し、翌23日にこの世を去った。65歳で退職し、20余年におよぶ激闘の時間を取り戻すような、二人一緒の充実していた日々の最中の出来事であった。本書は、「松川事件」や「三鷹事件」と並び、権力が捏造した冤罪事件の一つである「辰野事件」の首謀者として捕まり、長い闘いを経て無罪を勝ち取った夫・神戸今朝人と、無実の被告として闘うただ中で結婚した妻である著者の、青春と闘いの日々、そして二人で乗り越えてきた53年の歩みをふりかえり、鎮魂の思いを込めて綴った作品である。前著『炎ありき 家族たちの辰野事件』に続く、戦後の日本政治の闇の中で真実の灯を絶やすことなく戦い続けた、一組の夫婦の愛と絆を描く回顧録。

[目次]
序文 勇気の種
序章 別れ
第一章 辰野事件との闘い
一 希望にみちた ふたりの青春
二 祝福に囲まれて 結婚
三 出産そして 差当り有罪判決
第二章 権力との闘い二十年
一 選挙の勝利と デッチ上げの解明
二 権力犯罪を打ち砕き 勝ち取った無罪判決
三 獄中からの手紙 黙否の闘い
第三章 故郷長野へ
一 北信濃の春と 夫の進軍ラッパ
二 医療生協へ入職 保健活動と短歌
三 子離れの涙 「夜討ち朝駆け」
四 木の香漂う家 天井川と新幹線
第四章 千曲山人誕生
一 単身赴任の東京 断酒・俳諧入り
二 わたしの定年 俳句に取り込まれて
三 今朝人の定年退職 『野かぜ』の発行
第五章 初めての外国
一 ゲーテと小林一茶 二人で文学の世界
二 忍び寄る病 一茶の愛した長沼
三 金婚式と子らも結婚二十周年 二人だけの温泉
四 その日
あとがき
プロフィール

[出版社からのコメント]
冤罪を闘うということは、権力と闘うだけでなく、ある意味では社会や世間一般とも闘うということでもあります。本書では、その長く厳しい闘いを貫く力の根底にあるものの一端を垣間見ることができます。本書を通じて、夫婦を始めとする人と人とのつながりについて、また今を生きる一人として政治や社会について、考えるきっかけを持っていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
神戸 直江(ごうど・なおえ)

1931年 長野県小諸市に生まれる
1995年 日本民主主義文学会会員

著 書   

『歌集 ゆび触れて』千曲出版      
『歌集 大きな虹』文藝出版
『炎ありき・家族たちの辰野事件』光陽出版
『浅間噴く』文藝出版
『善知鳥峠』文藝出版
『坂道の花』交藝出版
『一茶 茶ばなし』ほおずき書籍

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