少年と船

(著) 井辺一平

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作品詳細

[商品について]

「ミナマタ」を問う、感動の作品
―希望は絶え、しかし夜明けはまた、訪れる―

中学の時に父を漁中の奇妙な事故で、母を珍しい病で亡くした俊夫。中学卒業とともに地元を離れて東京湾で仕事をしていた俊夫は、やがて自分の船を持って独立することを夢見るようになる。そんなある日、つまずいてケガをした俊夫は病院で「有明海にも水俣病を発見」というニュースを耳にする。その有明海で育った俊夫、その体にもやがて異変が現れる――。戦後20年を過ぎ、高度成長の熱も冷めていったそんな時代に、夢と絶望を生きる青年と、その夢の実現をひたむきに願う少女との絆を描いた感動の作品。

[目次]
少年と船
桜 花
作者あとがき

[出版社からのコメント]
高度成長は社会に大きな希望を与えるとともに、公害などによって同時に誰かの希望を奪ってきました。よく言われるように、光が強ければ強いほど、影もまた強くなる。私たちは光が強いときこそ、影にも目を向けなければなりません。本書はそんな影で生きた人々に、光を当て、その存在を思い出させてくれる作品となっています。

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