新中国の民族秘話

(著) 真下亨

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作品詳細

[商品について]
――1960年代に中国の森林で発見された、原始生活を送っていた人々の名称は次のどれでしょうか。
1.トーロン族、2.クツォン人、3.クム人
正解は、本書第1章「3 輝ける人たち」の中の「最近まで外部から隔離されていた人々」をご覧ください。
どこの国にも、光を当てられることなく埋もれてしまった膨大な量の歴史がある。それらの歴史を創ってきたのは、教科書に載っているほんの一握りの人間ではなく、名もなき無数の人々である。視点を変えて歴史を見ると、多くの人間の事跡が見えてくる。それは、生き生きとした人の歴史の情景である――。本書は、『チベット旅行記』や『内モンゴル紀行』など、中国大陸と周辺地域の歴史と人、文化に目を向けてきた著者が、古代の中国を中心に歴史を作り続けてきた数多の民族を記録した、アジア民族史録ともいうべき作品である。

[目次]
第一部 エスニックたちの活躍
はしがき
第一話 序章 東アジアへ人類がやって来た
第二話 中国古代民族の大移動 全てはここから始まった!
第一章 古代民族のルーツと移動
第二章 近代の民族大移動
あとがき
参考文献
第三話 輝ける人たち
はしがき
第一章 最近まで外部から隔離されていた民族
第二章 従軍し、地方に土着した人人
第三章 栄光の末裔たち
あとがき
第二部 栄光のエスニックたち
第一話 西夏国の末裔
第一章 西夏国史略
第二章 西夏の城塞
第三章 西夏王国の末裔
第四章 チベットのシェルパ(夏儿巴)人
あとがき
第二話 女国の郷
はしがき
第一章 女国伝説 中国少数民族の奇習
第二章 シャンシュン女国 アレキサンダー大王が夢見た黄金卿
第三章 東女国 女王谷の美女たち
あとがき
参考文献
第三話 楼蘭の民
はしがき
第一章 ロプ人
第二章 ミイラの民
第三章 楼蘭の民
あとがき
第四話 慕容鮮卑人 北方遊牧民の略史
はしがき
あとがき
第五話 水上のジプシー 水上に居住している人たち
はしがき
第一章  水上のジプシーの始まり
第二章 地域別蛋家文化
あとがき
第六話 蔡家人 蔡仲、世界に散った人たち
はしがき
第一章 蔡姓再興の祖:蔡仲
第二章 風俗、習慣、言語
第三章 世界に散った蔡家人
第七話 羯胡人 石勒皇帝の末裔たち:1700年の口伝
はしがき
第一章 奴隷から皇帝になった石勒
第二章 石勒のルーツはユダヤ人
第三章 石家の口伝 「石勒皇帝与羯胡人之謎」より
あとがき
第八話 阿布达里人 (Abdal)アブダル人
はしがき
第一章 アブダル人(阿布达里人)の現況
第二章 来歴 アブダル人の社会に伝わる伝承
第三章 エフタルの活躍と滅亡 目を中央アジアに向けよう
第四章 エフタル人のイスラム教への改宗と移住
あとがき
第九話 西蔵ムスリム 黄金郷のムスリムたち
はしがき
第一章 中央チベット地区 変転激しいラサ地区のムスリム達
第二章 中央チベットの清真寺
回帰現象:後書きに替えて
第十話 黒ラマ異聞
序章 モンゴル独立運動
第一章 黒ラマの生い立ち
第二章 ホブドの戦い
第三章 黒い砂漠の砦 918~1922
終章 黒ラマ現代に蘇る
第十一話 鄄(けん)城の蒙古人
はしがき
第一章 北帰行と残留部隊
第二章 鄄(けん)城の蒙古人
第三章 現在の鄄城蘇氏
あとがき
第十二話 トルグート人
はしがき
前章 モンゴル帝国以降のモンゴル
第一章 トルグート人
第二章 カルムイク人
第三章 エジン・トルグート人
終章 ホブドのトルグート人
第十三話 チハ(恰哈)人
第一章 チラ(策勒)県チハ(恰哈)郷
第二章 チラ (渠勒)国の繁栄
第三章 イスラム教伝来と宗教戦争
第四章 ダマゴ(達瑪沟)佛教遺跡
第十四話 南平僚人 古代からの土着部族
はしがき
第一章 消えた南平僚人
第二章 南平僚人の遺跡
あとがき
第十五話 亀と八角 シルクロード古道上の古城
第一章 中国古代城市遺跡
第二章 亀 城
第三章 八角城
あとがき
第十六話 (終章)木里王国の興亡 失われた地平線
はしがき
第一章 木里王国の成立
第二章 木里の三大寺
第三章 木里王国の終末
あとがき
第三部 起 義 義を起こし申す
はしがき
第一話 儂智高(壮族)の祖父儂猷
第一章 対交趾戦争
第二章 起義を決意する
第三章 滇南に入る 起義を終息させる
あとがき 正義性戦争の中国感
第二話 瑶族の乱
はしがき 伝説の時代
第一章 漢唐元代の主要な瑶乱事件
第二章 明代以降の主要な瑶乱事件
あとがき 瑶族の文化
第三話 龍雲(彝族)の乱
序 彝(イ)族の来源伝説
第一章 凉山彝族奴隷制社会
第二章 私の凉山兄弟
第三章 彝族の歴史沿革
あとがき
参考文献
第四話 海南省の乱 水軍になった蛋家人
第五話 ゴロク・チベット族の乱
後書き
著者略歴

[出版社からのコメント]
本書は、広大な中国大陸の歴史の流れの中で栄枯盛衰をくりかえしてきた民族や人々に光を当てた作品です。そこには人や文化の多様性があり、国境線でははかることのできない人の歴史の姿があります。歴史や文化に興味のある方はもちろん、多彩で奥深い大陸の民族ガイドとしてもお楽しみいただける内容となっています。

[著者プロフィール]
真下 亨
生年 1942年生まれ
住所 東広島市
略歴 退職後「北京郵電大学」に留学2004年4月~2005年7月中国語専攻卒業後、旅行と執筆

主な作品
「内蒙華北幻想紀行」 1999年鳥影社
「チベット悠々」 2003年新風舎
「中国の歴史絮話」 2019年22世紀アート
「北京古刹名寺選」 2019年22世紀アート
「中国の藏伝仏教寺廟」 2020年22世紀アート
「親中国の三列女伝」 2020年22世紀アート
「チベット旅行記」 2021年22世紀アート

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