日本の裁判官論: 裁判所の実態とその改革のために

(著) 大隅乙郎

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作品詳細

裁判官から弁護士に転身し、法曹経験五十年以上の著者による、体験的・実感的裁判官論。

「私は、二十五歳から三十四歳まで九年間、多感な年代を裁判官として過ごしてきたので、裁判所に対し人一倍愛着信が強い。裁判官を退官後は、「町医者的弁護士」ではあるが、法廷弁護士として四十五年以上、法壇の下から裁判所を見つめてきた。だから、もっと開かれた裁判所、一般市民が利用しやすい裁判所、誰からも信頼される裁判所にするためには、どうしたらよいのか、長年に亘りずっと考え続けてきた。その結論が本書である。」(本文より)

本書は長年法曹界に身を置いてきた著者が、現在の裁判官の実相と裁判所の実態、日本の民事裁判改革のための“米国ディスカバリー制度”の導入提案、著者が考える“夢の裁判所”などを綴った「裁判所改革案」である。

日本の裁判所には改革が必要である——その第一歩を、本書とともに。

【目次】
はじめに
日本の裁判官の誤判決の特色
裁判過誤判決を公表する方法はあるか
最高裁の改革に向けて
裁判官独立の原則はどこへ
裁判官と弁護士の相違
和解の功罪
異議あり‼ 問題判決(不法占有者の取得時効)
不動産競売における剰余主義の廃止
裁判官の矜持はどこに
日本の民事裁判官の体質
民事訴訟の実態
裁判所制度の改革はあるか
夢の裁判所を目指して
当事者は、どうして証拠を収集するのが困難か
米国のディスカバリー(証拠開示)制度は何故必要か
米国ディスカバリー制度とは何か
民事陪審制度の導入について
法曹一元は実現するか
民事裁判の改革がもたらすもの
あとがき

【著者プロフィール】
大隅 乙郎(おおすみ・いつお)
1936年 横浜市生まれ
1955年 早稲田大学高等学院 卒業
1958年 司法試験合格
1959年 早稲田大学第一法学部卒業
1961年~1970年 長崎地方裁判所佐世保支部、宇都宮地方裁判所、大阪地方裁判所裁判官歴任
1970年 弁護士登録
1980年 早稲田大学講師
1992年 東京家庭裁判所調停委員
1977年~2005年 国土交通省中央建設紛争審査会特別委員

大隅法律事務所
東京都港区西新橋1─21─8

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