狸の来た日々

(著) 松岡節

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作品詳細

[商品について]
――日本ではタヌキは狸と書きますが、中国では次のどの漢字で書かれるでしょうか。
1.狢  2.狎  3.獺
正解は、本書 第1章7節「狸という文字 里から町のけものに」をご覧ください。
阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起き、憂鬱な日々の中、ある日突然、側溝から現れた二匹のタヌキ。やがて自宅の庭に通うようになった彼らとの出逢いをきっかけに、著者と愛くるしいタヌキとの日常が始まる――。食事から出産、子育てまで、庭に訪れるタヌキの生態やタヌキに関する逸話、童話、豆知識など、微笑ましいイラストと共に語られる、優しく楽しい「タヌキ録」。

[目次]
はじめに
おや? ある日突然の出会い
町ダヌキ すみか奪われ側溝へ
庭へおいで 餌付けで〝招待〟計画
空っぽの皿 庭に誘導作戦を決行
いたずら 朝起きると履物が…
タヌキとは イヌ科に納得の容姿
狸という文字 里から町のけものに
巣穴 夜行性、日中の居場所
化かされた 音もたてずにドロン
ためふん 同じ所に増えていく
埋める 始末すれば違う所に?
情報交換 共同トイレが発信源
ふん虫 後始末の過程を観察
トイレ使用中 安らぎの表情で排便
タヌキが好きでも 周りに迷惑かけずに
常連客 対照的な性格の2匹
タヌキごはん 冷蔵庫掃除も兼ねて
薬入りソーセージ 仕掛け見抜き食べず
カエルもミミズも 庭で見つけてパクリ
タヌキパン バターロールに夢中
スズメの滑り台 タヌキごはんのおこぼれ
夫婦愛 妊娠〝妻〟の食事優先
カンペイちゃん そっくりの三角眼で
お産はいつ? 姿見せず期待と不安
夫の協力 子育てに参加餌運ぶ
引っ越し 安全な場所で子育て
バトンタッチ さて、子ダヌキは何匹?
引っ越し先は? 発見できぬ一家の巣
子ダヌキ登場 期待通りのデビュー
子ダヌキは何匹? なぜか1匹ずつ来訪
一家勢ぞろい 特別食で〝6人〟接待
孫とタヌキと 一家〝6人〟庭に出現
ムカデリー 顔面腫れても元気者
てんでばらばら 〝6人〟の誰かが来訪
月夜のタヌキ 庭の〝遊園地〟で遊ぶ
子別れ 厳しくさっぱりと
タヌキの算数 パンをくわえて運ぶ
入れかわり立ちかわり 方丈記のような感傷
犬小屋のタヌキ(上) 必死に話しかけて…
犬小屋のタヌキ(中) 死んだらどうする?
犬小屋のタヌキ(下) 辛抱の果て一件落着
妻を呼ぶ声 聞けば寂々たる思い
ポンポコポン 掘り返す音にリズム
タヌキの腹鼓 化けるために打つ?
狸汁 うまい、と植木屋さん
〝町ダヌキ〟の情報 ふるさとは狭くなる
タヌキの功罪 人気者? 嫌われ者?
童話「げんさんのやきいも」(上) 女の子に退院の祝い
童話「げんさんのやきいも」(下) 親子5人とお別れ
懐かしいタヌキたち ぷっつりと消えた姿
おわりに
著者略歴

[出版社からのコメント]
ほんの一昔前は、町でも見かけることのあったタヌキですが、現在では狂犬病などの問題やタヌキが住める森が少なくなったことで、タヌキと出会えることは少なくなりました。本書は、タヌキとの程よい距離感でその生態やタヌキにまつわるあれこれを楽しめる内容になっています。本書を通じて、多くの方がタヌキをはじめとする身近な自然に興味を持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
松岡 節(まつおか・せつ)

一九三二年、東京に生まれる。
幼少期を神奈川、中国の長春、東京、大阪、山口、香川、福井などで送り、高校一年のとき奈良に移る。
十三年間、奈良市公立幼稚園で保育に携わる。NHK教育番組の制作に参加するなどして現在に至る。
八十二年ミセス童話大賞優秀賞を、二〇〇六年、第四十六回久留島武彦文化賞を受賞。全国童話人協会会員。
作品に『ポカポカホテル』『かえるのレストラン』『たんじょうびのおきゃくさま』『たぬきのいとぐるま』『サンタクロースのそりにのって』(ひかりのくに刊)など

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