統計解析を用いた財務データの可視化の研究

(著) 薛暁燕

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作品詳細

[商品について]
――財務分析において、伝統的なROE分析が機能しないといわれるのは、次のどの業種でしょうか。
1.流通業、2.製造業、3.自治体
正解は、本書第5章「1.1 先行研究」をご覧ください。

企業の経営状況を収益性、安全性、生産性、成長性等様々な視点で分析する従来の財務分析は、それぞれ企業の財務状況の一面しか反映せず、また分析者の個人的な経験と解釈とに依拠する部分が大きいという欠点を有していた。本書は、そうした視点から、従来の分析手法に対して統計的な手法を加味し、財務分析過程の機械化や散布図による分析結果の可視化など、従来にはない視点、用途および客観性があることを、様々な業界のデータを題材に具体的な事例の分析を通じて示しながら、ダイナミックな財務分析へのアプローチを提案する論考である。 

[目次]
第1章 序論
1.研究の背景
1.1 従来の財務分析
1.2 本研究の特徴
2.研究の進め方
第2章 因子分析とパス図を使用した財務分析の可視化と標準化
1.本章の先行研究と研究目的
1.1 先行研究
1.2 研究目的
2.ホテル業界の事業資金の流れに関する仮説
3.研究フロー
4.データの選択及び処理
5.観測変数のみのパス図解析
5.1 差分を含んだ因果関係表
5.2 小括
6.Rによる探索的因子分析
6.1 因子数3個の検討
6.2 2個の因子による探索的因子分析
7.探索的因果分析表から想定パス図
8.SEM分析による検証
9.本章のまとめと将来の展望
9.1 本章のまとめ
9.2 将来の展望
(参考文献)
第3章 SEMダイアグラムを用いた財務比較―三共生興の事例研究
1.本章の目的
2.研究フロー
3.データの選択及び処理
4.因果分析観測変数のパス図解析
5.仮説モデルの構築
6.因子数の検証
6.1 因果分析観測変数と潜在変数探査的因子分析
6.2 固有値スクリープロットでの検証
7.探索的因果分析表からのパス図の想定
8.確認的因子分析
9.本章のまとめと将来の展望
(参考文献)
第4章 主成分分析を用いた日本化粧品業界の経営分析及び可視化について
1.先行研究と研究目的
1.1 先行研究
1.2 研究目的
2.研究フロー
3.データの収集及び標準化
3.1 データの収集
3.2 データの標準化
4.R言語による主成分分析
4.1 主成分負荷量数の決定
4.2 主成分負荷量による解析
5.主成分得点の推移を可視化
5.1 主成分得点の推移
5.2 主成分得点の推移を散文図で可視化
6.本章のまとめ
6.1 化粧品業界大手会社と中小会社の財務構造の違い
6.2 本章における主成分分析の意義
(参考文献)
第5章 クラスタ分析を用いた財務指標の選択
1.先行研究と本章の目的
1.1 先行研究
1.2 本章の目的
2.研究フロー
3.データの収集と相関の検証
3.クラスタ分析
4.散布図による可視化
5. 本章のまとめ
5.1 キャッシュ・フローを加えた各企業の分析の結果
5.2 本章における解析方法の意義
6.A CLUSTER ANALYSIS BASED SELECTION OF FINANCIAL INDICATORS
6.1 Previous studies and research objectives
6.2 Research procedure
6.3 Proposed methods
6.4  Conclusion
(参考文献)
第6章 中国GDPの3つの代理変数に関する研究
1.先行研究と本章の目的
1.1 先行研究
1.2 本章の目的
2.「李克強3指数」のデータと相関関係
2.1 「李克強3指数」データの収集
2.2 「李克強3指数」の妥当性の再検討
3.重回帰分析
3.1 重回帰式の導出
3.2 p値とt値
3.3 重回帰分析の精度
4.本章のまとめ
(参考文献)
第7章 終わりに
第2章資料
用語の定義資料
謝辞

[出版社からのコメント]
数字をあつかう財務や統計の分野に苦手意識を持つ方も少なくないかもしれませんが、様々な指標から現れる数字の奥にある現実のダイナミズムが見えるようになると、知的興奮さえ覚える楽しい分野となるように思います。本書の内容は必ずしも初心者向けではありませんが、新たなアプローチで迫る財務分析の世界をぜひ楽しんでいただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
薛 暁燕(セツ ギョウエン)

1979年3月生まれ 中国福建省出身
2007年4月 四日市大学経済学部ビジネス学科に入学
2012年3月 卒業
2012年9月 愛知工業大学大学院経営情報研究科財務システム修士課程に入学
2014年7月修了、同大学より経営学修士号が授与される
2014年9月 愛知工業大学大学院経営情報研究科財務システム博士課程に入学
2018年3月修了、同大学より経営学博士号が授与される
2012年9月から2018年3月まで 愛知工業大学経営学部 ティーチングアシスタント
2018年10月から現在まで 中国信陽師範学院大学外語学院日本語学科 講師

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