雲の先の修羅: 「坂の上の雲」の歴史観と日本人のアイデンティティ

(著) 半沢英一

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[商品について]
問題です。本書のサブタイトル「雲の先の修羅」の「修羅」とは、
仏教における六道「修羅道」・「天道」・「人道」・「畜生道」・「餓鬼道」と、もう一つは何道でしょうか?

① 「仏道」
② 「菩薩道」
③ 「地獄道」

答えは、「おわりに」の章の文中にあります。

司馬遼太郎氏の著書で有名な「坂の上の雲」、祖国防衛の為に日露戦争は行ったと、坂の上の雲では語られ、日本人の「アイデンティティ」に影響を与えたが・・・                                              
本書は理学博士の著者が、坂の上の雲では語られていなかった、「日清戦争」やその他の 歴史上の大事件を踏まえ、防衛の為の日露戦争ではなかったと、「坂の上の雲」と真向勝負で論議し、「坂の上の雲」で影響された、日本人の「アイデンティティ」を考え直すことが必要だと語られています。
また、付録では理学博士らしく、数学を用いて戦争を解析し、解説してある魅力的な1冊です。

[目次]
第1章 『坂の上の雲』の呪縛力
第2章 『坂の上の雲』への疑問
第3章 日清戦争の帝国主義は定義の問題ではなかった
第4章 日露戦争は日本の祖国防衛戦争ではなかった
第5章 空想歴史小説『坂の上の雲』
第6章 他の戦争歴史文学との比較
第7章 アイデンティティの牢獄『坂の上の雲』
第8章 人類の課題としての帝国主義の克服
第9章 「日本人のアイデンティティ」を考えなおす
付録 戦争の数学─百発百中の砲一門は百発一中の砲百門に匹敵しない

[出版社からのコメント]
「司馬史観」司馬遼太郎氏が著者した歴史小説にはこのように言われることがあります。
戦争を題材とした小説には、脚色された物、隠された事実、隠した事実、等で書かれた小説もあります。それは読みてのことを思い、あえてその様な手法で書かれる事もあると思います。
ただ、戦争と言う過去に起こった事実に対し、文献を読み解き史実を書くことは、戦争と言う二度と起こしてはならない悲劇を読者に伝えるのは大変重要な事だと思います。
本書はそんな重要な一冊です。

【著者プロフィール】
半沢 英一(はんざわ・えいいち)

東北大学理学部数学科卒。理学博士。現在金沢大学教員。

著書
 『狭山裁判の超論理』解放出版社、2002

主要論文
「ステファン問題の古典解(英文)」(『東北数学雑誌』1981)
「シュヴァルツ超関数の理念の一般化(英文)」(『日本産業応用数学雑誌』1992)
「数学と冤罪─弘前事件における確率論誤用の解析」(庭山英雄編『被告最高裁』技術と人間、1995所収)
「ナッシュの等距離埋蔵論文の影響についての私見」(『ナッシュは何を見たか』シュプリンガー・フェアラーク東京、2005所収)
「ナッシュのゲーム理論―正義と競争の数学的関係」(『数学通信』2007、日本数学会ホームページで公開)
「倭人伝の短里と中国古代天文学」(横田健一編『日本書紀研究第二十二冊』塙書房、1999)
「聖徳太子法皇倭王論」(横田健一編『日本書紀研究第二十四冊』塙書房、2002)
「ネオリベラリズムの反人権性─「シャーリーズ・セロン、イ・ヨンエ、反WTO闘争」を語る」(2008、金沢市フェアトレード・ショップ「アジール」ホームページで公開)

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