サザンクロス、レッドクロス 1943‐1945:ある従軍看護婦 生と死の相克の果てに

(著) 樫出浩雅

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[商品について]

―戦争の惨禍のはてに、ひとつのお守りが紡いだ運命とは―

昭和18年6月、長岡の赤十字看護学校を卒業して陸軍軍医学校に在籍していた大橋みさは、従軍看護婦として南方戦線へと送られることになった。お国のためにと勇んで行ったみさだったが、欠乏する物資と貧弱な設備、そして蔓延する伝染病で満足な医療も提供できない戦場の現実に愕然とする。それでもみさは、同期で親友のミチと必死で看護婦の責務を全うしようとするが、悪化の一途をたどる戦況の中で兵士も仲間も次々と死んでゆき、逃避行の最中ついに親友のミチも動けなくなってしまう。先に行けという彼女に、二度と会えなくなる予感を覚えたみさは、それまで大事にしていたお守りをミチに手渡す。それはみさが出征前に偶然出会った一人の青年から手渡された、みさの心を支え続けた大切なお守りだったーー地獄の戦場を看護婦として生きた一人の女性の人生を軸に、いくつもの数奇な運命が織りなす命のドラマを描いた生と死の狭間の物語。



[目次]

サザンクロス、レッドクロス 1943‐1945:ある従軍看護婦 生と死の相克の果てに

著者略歴



[担当からのコメント]

戦争はあまりにも巨大すぎて理解することは難しい。だからこそ私たちは、あの戦争を生きた一人ひとりの人生を丹念に辿りながら、戦争の惨禍がもたらすものを少しずつでも理解していくしかないのだろうと思います。本書の物語が、そのための一助となれば幸いです。



[著者略歴]

樫出 浩雅(かしで・ひろまさ)



1960年 新潟県生まれ。新潟大学工学部を卒業後、新素材に関わる研究・開発にエンジニアとして6年ほど携わる。 その後、音楽・映画好きが嵩じ、出版社に転職。ピュアオーディオの雑誌の編集長となり、『季刊analog』などを立ち上げ、以降、定期刊誌と増刊号の編集長・編集統括を務めた。並行して2014年に初著作『オバアサンタチノ集マリ』を刊行。現在は漢方の仕事をしながら、執筆活動を行い、東京ウイスキー&スピリッツコンペティションの審査員も務める。趣味は酒と車、愛犬ヨーキーの散歩。もちろん音楽と映画は永遠の生きがいである。

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